◎目が覚める
先日の宿谷の滝から鎌北湖を巡った話の続きです。
鎌北湖から帰ってからは、毎夜、2時から3時の間に目が覚めます。
悪夢を観るからで、概ね「ああ。ああああ」という女の呻き声に愕かされるから。
霊の悪影響とは、小説や映画に出てくるような「祟り」のようなものではなく、こういう風に、死に間際の執着心や煩悶を共感させられてしまうことです。
まるで、自分が体験しているかのように現実感があります。
5歳くらいの頃、道路を渡ろうとした時に、遠くからトラックが来るのが見えました。
その時、ふと昔のことを思い出しました。
自分が道路に飛び出して、トラックに跳ねられてしまったことです。
「その時は、20メートルも飛ばされて死んだっけな」
想像ではなく、過去の経験として思い出しているのです。
「その時、俺は確か8歳くらいだった」
でも、そういう自分は、まだ5歳でした。
こういう感覚が自身の記憶として残っているので、それが自分の経験として現実にあったのか、それとも、誰かの記憶を観たものなのか、区別がつかなくなっています。
トシを取ったからではなく、そのイメージを得た瞬間から、そう感じているのです。
今にして「それは、かつて死んだ時の話だ」、正確には、死んだ子供が生まれ替わったものではなく、「かつてそうやって死んだ時の心境」を共有したのだ、と理解出来ます。
そのことはちょっと説明が難しいので、改めて整理した後で、また記します。