日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音(続)

◎扉を叩く音(続)
 「毎年、秋から冬にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音が聞こえる」話の続きです。

 1月17日午前2時30分の記録。
 夢を観ているが、体の感覚はある。そんな半覚醒常態での出来事だ。
 唐突に声が聞こえた。

 「とうさん!!」
 息子の声だ。

 すぐさま目覚め、息子の様子を見る。
 息子は次第に父親と同じ状況になって来て、夜中の2時頃に魘されていることがある。
 私はもちろん、こういう事態には思い当たることがあるので、最近は居間で眠ることが多い。
 息子の部屋は玄関の近くだし、異変があれば、すぐにそれと知れるためだ。
 息子はぐっすりと眠っていた。

 では、あの声は何?
 いつもの通りだが、「気のせい」で片付けられるほど、小さいものではない。
 火急の事態を報せる時の、鋭い言い方だった。

 身近な者の声を騙れば、その人は必ず応じる。
 親であれば、常に子のことを案じているから、そちらに注意を払う。
 それを利用するもので、要するに、振り込め詐欺と同じ仕掛けだろう。

 いずれにせよ、あまり良い傾向ではない。
 これが先に進むと、次は名前を呼び掛けられるようになる。
 徐々に、外堀を埋めるように、嫌な材料が揃っていくようだ。