日刊早坂ノボル新聞

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◎「加齢」が直接の原因ではない

◎「加齢」が直接の原因ではない

 アクセルとブレーキの踏み違え事故が起きると、「高齢者が運転している」という側面のみ強調される。
 しかし、踏み違え自体は高齢者だけに起きているわけではない。
 私も40歳台で3度踏み違え、慌てるという経験をした。事故は起こさなかったが、きわどいところまで行った。
 おそらく、姿勢が斜めになっていたことから、普段と「踏み位置が違う」ことに気付かなかったのだ。

 そもそも、踏み違え事故は、クラッチ車では起きない。
 「概ね起きない」ではなく、どうやら「一切起きない」らしい。

 そうなると、問題はドライバーの状態以前に、オートマ車の運転席の構造特性が係わっている場合がある。
 誰にでも起きる可能性があるが、高齢者は運動能力が落ちているから、事故という結果を招きやすいということ。この場合、加齢は介助(媒介)要因となり、本質的なものではなくなる。

 短絡的に「高齢者から免許を取り上げる」検討に入る前に、まずは車の構造特性を検討すべきではないのか。
 個人的な意見だが、ブレーキペダルを左側に少し大きくするだけで、事故は減ると思う。
 自身の踏み違え体験だが、アクセルから足を離し、改めてブレーキを踏もうとしたら、今度はブレーキペダルに当たらなかったからだ。
 大雑把に左側を踏んだ時に、きちんとブレーキに当たれば、車は停まる。

 あとは教習の際に、「こんな時はどう対処するか」を教える必要がある。
 60歳を過ぎたら、更新の際に、「咄嗟の時の対処法」を実地でやらせるとよい。
 もし運転免許に年齢制限を設けたら、過疎地にポツンと住む高齢者は生活が成り立たなくなる。
 田舎には住めなくなるから、どんどん都会に出て、いっそう空き家が増える。

 自動車会社が検討を始めないことが解せない。
 「踏み違えはオートマ車だけに起きる」事実だけで、再検討すべき動機付けになるはずだが。
 
 最後に要旨を繰り返す。
 「何故ブレーキとアクセルペダルを踏み違えるのか」という理由を「高齢者だから」という要因に求めるのは、短絡的な話だ。私は基本的にそれが構造原因によるものだと思う。
 すなわち、事故の責任は自動車会社にある(製造責任)。

 多少、前に出ているが、ここまで言わないと、TタもNサンも耳を傾けない。
 踏み違え事故の被害者が、自動車会社を相手に裁判を起こす手はあると思う。