◎夢の話 第1K72夜 家の改修
二十日の午前二時に観た短い夢です。
我に返ると、大きな家の前に立っていた。
その古い木造の家には、沢山の大工や左官が出入りしている。
「いつも見ている家だよな」
ここには頻繁に来ている気がするが・・・。
ふらふらと中に入る。
家の中はやはりオンボロで、柱は煤けているし、壁もボロボロだった。
職人が十数人かかり、各々の受け持ちを直している。
「これを直すのは大変だよな。修繕して古民家レストランでも作るつもりなのか」
すぐ目の前に女の大工がいて、木材にノミを打っていた。
その大工に話し掛ける。
「ここまで古いと直すのは大変ですね」
「そうですね。傷みが激しくて使えるところが少ないですから」
ところでここは誰の家なんだろうな。
頭の中で考えただけだったが、大工が答えた。
「ここはあなたのお父さんが作った家ですよ。忘れましたか」
え。
一瞬、息が止まったが、すぐに思い出した。
「コイツは夢だ。俺は夢の世界にいるのだ。この家だって、もはや何百回も来たことがある。来る度に古びているが、家は体の象徴で、元は父が持っていたものだから、すなわち俺のことだな」
納得しつつ、ここで覚醒。
家、すなわち私の体は古びて、たいそう痛んでいた。寄って集って修繕しているが、直すのは大変そうだ。女の大工は「夢の中の最初の異性」だから、私自身を投影したものだ。
要するに、まるっきり今置かれた状況になっている。
依然としてどんどん痩せて行くから、まるで末期の患者みたい。(実際、一時は皆が「この人はそろそろ」だと眺めていた。)
ま、昔の家は作りが頑丈だから、修繕によって、幾らかはもつ。