日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K85夜 来客

◎夢の話 第1K85夜 来客

 これは二十二日の午後一時に観た短い夢だ。

 先日観た夢の続きになっている。

 

 急な来客があったが、今、俺の家の中は「遺産整理」の仕分けでゴタゴタしている。

 古道具やら骨董品やらを整理し、次々に処分しているのだ。

 親族の品ではなく、俺自身の持ち物で、俺は自分の先が短いことを悟り、数年前から自分自身で己の遺産整理を始めていた。

 

 ひとまず和室に客人を通す。

 息子が自分の家を買ったので、部屋がひとつ空いていた。ここにも段ボールが置いてあるのだが、他の部屋よりも幾らかましだ。

 客は男で、どうやら高校か大学の旧友らしい。(頭がボンヤリしてこれが誰か思い出せない。)

 

 台所に戻ると、母が洗い物をしていた。

 「お袋。お客さんが来たから、お酒を準備してくれるかな」

 「はい、分かったよ。ビールでいいの?それともウイスキー?」

 「俺がビールを出すから、お袋は食器棚からウイスキーを出して」

 冷蔵庫の扉を開き、ビールを取り出す。

 まずはそれを和室に持って行った。

 友人が「気を遣ってくれなくともいいんだよ。俺の用事で来たんだから」と言う。

 それから、つまみを支度するために台所に戻ろうとした。

 台所では、母が食器棚の上の方に手を伸ばし、ボトルを取ろうとしている。

 母は小柄だから、つま先立ちだ。

 手が酒瓶に届いた瞬間、母の体が揺れた。

 思わず「危ない。気を付けて」と声を掛けた。

 この時、瓶が傍のグラスに当り、「チン」と音を立てた。

 この音ですぐに覚醒。

 

 音が聞こえていたから目覚めたが、もしかすると、寝言を言っていたかもしれん。

 夢の中の母は、「死に向かう病」を得た後の姿で、私は心底より母の具合を案じていた。

 母の姿はものすごくリアルで、実際にそこに立っていたかのような気配だった。

 最近、母の夢をよく観るが、私の方から母に近づいている気がする。

 

 私は時々、頭の中に自身の死ぬ姿をイメージするが、いつも「突然の心停止」で死ぬ。

 病院に向かう途中、道を歩いている時に鳩尾にしこりが出始め、足を止めると、すぐに暗い穴に落ちる。それを昼夜となくイメージするし、夢にも出る。発症回数が増えているという意味だ。

 このところ、胸に症状が出始まっているので、いつその時が来ても冷静でいられるようにしようと思う。

 なるべくなら、母の墓前で誓った通り、母の手を引いて世界の様々な地を案内しようと思う。

 ま、目覚めている時は、もちろん、「あれこれ手を打って、態勢を立て直してやろう」とも思う。

 「お袋よ。もうちょっと待っていてくれ」

 もう少しすれば、この世とあの世の道筋が見える。

 

追記)家に来たのは野球部の同級生だった。

 最近、亡くなった知人の夢をよく観る。

 昨夜は叔父の夢だったが、実際に目の前にいるかのようにリアルな息遣いがある。

 これから少し外出して、ご供養に行こうかと思う。