日刊早坂ノボル新聞

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◎古貨幣迷宮事件簿 「四月盆回しの品評(続)」

◎古貨幣迷宮事件簿 「四月盆回しの品評(続)」

 さて、割合すぐに抽選会の〆切が来そうなので、なるべく早めに出品登録をしたいものだ。応札状況を見て、早期落札もあるので、対応の方も同様によろしくお願いする。

 

A14 千両駒

 値下げ再出品。江戸の銭譜にも掲載があるし、実際に地金が古いから、「江戸物」だろうと思う。仙台領で多く見られ、K村さんのコレクションに入っていたことから、江刺方面の作かもしれぬ。

 詳細は分からない。

 

A15 称浄法寺鋳放絵銭類

 幕末明治初年にあった浄法寺山内銭座とは関わりのない称浄法寺鋳放銭とそれの模倣銭。仰寶は枝銭(銭の生る木)から折り取ったもので、明治中期以降の作である。

 仕上げた時に母銭として使えぬので、これが絵銭だと分かるし、そもそも湯口が大き過ぎて一枚ずつの仕上げを考慮しないものだと言える。絵銭が各地で盛んに作られたのは大正三年頃であるから、その近辺までの調べを行う必要がある。

 ナ文は後出来で、砂笵がまったく異なるし、湯口が小さいから、前述の仰寶とも異なる製作となっている。

 はっきり書くが、この品を入札誌等で出品されたのは、ほぼ総てが宮城県からだった。どうやら宮城県にも浄法寺村があるようだ。ナ文の系統の品は、平成浄法寺、もしくは宮城浄法寺と呼べばよろしい。

 製作を勉強するために、資料として提供するので、古銭会などで時々、回覧する用途で使用して欲しい。下値は購入時の二十分の一だ。

 ついでなので、付記するが、仰寶は鉄銭の母銭だ。お金を作る時には、母銭の揃えは完全に終わっているのだから、鋳放し母銭は残らない。不首尾の母銭は通用銭にするので、仕上げを施さぬ鉄寛永の母銭は存在しない。当百銭とは事情が少し違うわけだが、寛永銭、当百銭を通じ、「概ね通貨として作ったものではない」と言える。

 実際に使用された銭種で、かつ未仕上げの状態が確認出来るのは、反玉だけだ。

 称浄法寺銭の当百仕立て銭には、ごく少数だが流通した品があり、幕末明治初期と幾ら赤関連性がある。これは銭座の技術と変わりないという意味だ。

 

A16 豆板銀各種十五個混

 天保・文政が多いようなので、お買い得だと思う。

 この豆板は青森の故雑泉氏のために取り置いたものだ。埼玉方面では蔵出しで、長銀や豆板が出ることが多々あったが、雑泉氏はそれを知ると、「そちらの言い値で良いから送ってくれ」との連絡をしてくれた。

 概ねサイズにもよるが二千五百円から三千五百円くらいの範囲で、「内容は問わず」という条件だったので、ほとんど見ずにそのまま送った。

 古金銀委はまったく興味がないが、しかし一括買い取りの際には、総て買い取る条件なので引き取らねばならない。必要でもない品をいちいち鑑定評価をするのは疲れる。

 このため、雑泉氏のような相手は双方がウインウインの関係になった。

 豆板は当時のものを含め、贋作が非常に多い銭種だが、こちらが見分けのつかぬような参考品が入ったとしても、別段何もクレームが来なかった。こちらも「これは慶長だな」と思っても、そのまま渡した。もちろん、コレクション買い取りの場合は別だ。

 前蔵主が極端な損をしない・させないのが関係を良好に保つ秘訣だと思う。

 「安く買える」と買いたたくと、結局は自分に跳ね返って来る。

 青森を訪れた際に、雑泉氏には「夜の観光案内」までしていただき、お世話になった。古銭界の中では数少ない「仲間」の一人だったと言える。

 

A17 欠番 出品掲示前に照会があり売れた。

A18 寛永当四 未勘銭 文久様俯永手

 下値をかなり安く設定してあるが、私にとっては「あやの付いた品」であることによっる。

 しばらく前に入札誌に出品し、四万円前後で落札されたのだが、暫くすると返品されて来た。特に理由が分からず「気に入らなかったのか」と思っていたが、ひと月後くらいに検品すると、どうも印象が違う。

 状態が変わっているので、「すり替え」と思い、入札誌に連絡すると、「同一品では」と言う回答だ、もしそれなら「洗った」ということになり、そもそも返品不能だ。

 さらに検品すると、出品時にはなかった擦り傷が幾本か入っていた。

 要は下記二つのいずれかが起きている。

1)自分の品物と取り換えた。

2)洗って見たら一瞥では分からぬ擦り傷があったので、返品した。

 この場合、いずれもアウトだ。1)は犯罪で、2)は改変を加えたので、返品できなくなる。ま、ホルダーも替わっているのですり替えの方だと思う。

 面倒なので、司法で処理して貰おうと思ったが、裁判になると面倒だし、この金額では真面目に調べぬ可能性が高い。

 だが、私には別の顔がある。その方面の知り合いに「こういう奴がいる」と伝えて置いた。その者は「欺瞞」をことのほか嫌うから、おそらく早晩、「障り」を送るだろうと思う。たぶん、私の死後が本番で、その時には私はいないので、止めようがない。出来心の代償としては、かなりキツイ罰が待っていると思う。

 その知り合いは「アモン」と言う名だ。きっとスマホに勝手にスイッチが入り「取り憑いたあ」「取り憑いた」と叫ばれる日が来ると思う。

 落札した品をすぐに洗うところを見ると業者さんか業者さんもどき。ま、調べればすぐに分かるが、いざ名前を調べたら、子や孫まで障りが及ぶ。

 私は障りを経験したが、お祓いをする過程で十二キロ痩せた。でも生き残れたからまだましだ。

 文面だけ見ると「イカれた話」なのだが、ホラー映画ような怖ろしい事態が現実に起こっている。アモンの顔はこれまで幾度も公開している。実在する悪霊だ。

 

 こんな事情があるので、かなり安くした。品物自体は別に問題なし。

 文久様は、旧譜の取り扱いは島屋文と同じ位付けだ。

 仕上げの時の筋が見えるようになったが、粗砥のかけ方を見ると、密鋳銭の仲間で確定出来た。結果的に知見が改まった。

古貨幣迷宮事件簿

 

 注記)既に収集家ではなく、今後は「歯に衣着せぬ物言い」になる。

 気に障る人は来ないでください。もはや死に間際なので、知人も友だちも不要だ。

 一発書き殴りで、配慮も推敲も校正もしない。悪しからずご了承ください。