日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎女の「声」が響く

女の「声」が響く
 いつも朝の五時台には起き出して、六時過ぎに娘を送って行く。
 その後で自分も病院に行くので、浴室を温めて置く。心臓に持病のある者は寒暖差が最もヤバいからだ。
 娘より先に家を出るべく、浴室の前の廊下を歩くと、唐突に浴室の中から「あああああ」という声が聞こえた。ちなみに、文字で想像するよりも大きな声だ。気のせいでも空耳でもなく、五十台以降の女の声だった。家人と息子はまだ寝ており、娘は居間にいる。声の持ち主に該当する家族はいない。
 朝だし、まったく予期していなかったので、思わずスキップした(びっくりして跳んだ、の意)。
 「驚ろかすんじゃねえよ。ここは俺の家だぞ」

 依然として、身近に「女」の気配があるのだが、複数いるうちのメインキャラだと思う。廃病院の事務棟で見た、あの患者だ。
 外見は四十歳くらいだが、自意識がそれくらいだからその姿でいるということで、死んだのは七十くらいだった。 
 今のところ私の足は小康状態だが、また悪さをするようなら、少し本格的に対策を立てなくてはならない。
 年々 、細かいところでの躓きが増えているが、こういうのも「心身と魂」を整えると、割とスムーズに動きだすものだ。

 このところ治療がしんどい。終わった後は買い物に行けず、よろよろと帰宅するだけ。そのまま娘が帰宅するまで横になっている。
 娘を迎えに行き、戻って来るが、駐車場で車を降りると、すぐに娘に鍵を渡す。

私は足に傷があり、ゆっくりとしか歩けぬので、娘を先に行かすということ。
 歩きながら、街灯で出来る影を点検するが、このところはひとつだけだ。ま、こちらが「見ている」のを知っているから、今はこういう時には離れているのだろう。

 玄関にはm常に清め塩を盛ってあるので、これを体に振った。
 二月頃までは「あの世が活発に活動する」時期なので、注意深く行動する必要がある。
 世間ではこういうことが起きぬ人の方がはるかに多いと思うが、起きる者にはどんどん起きる。余計なことにエネルギーを使わねばならんので、こういうのも大きなハンデだと思う。

 居間に座ると、今度は「チャンネル替え」が始まった。
 勝手にテレビのチャンネルが切り替わる。
 機械の不具合のこともありそうだが、跳ぶ先がランダムで、かつ地上波からBSに移ったりする。これは通常、二段階の切り替えが必要だ。二段構えの誤作動となると、少し説明に困る。
 こういうのは、「誰かがチャンネルを替えている」と見なす方が対策が立てやすい。
 実際、朝はチャンネルが飛ぶ先が「韓流ドラマ」のことが多いし、夕方は「バス旅」「温泉」みたいな番組のことが多い。「衝撃映像」みたいなのは嫌いで、数分でチャンネルと替えようとする。
 やっぱり、コイツは「オバサン」なんだな。

 三十台の頃、所沢のある神社の坂下に住んでいたが、新築のコーポだったのに、最初から変な出来事が起きた。3LDKの部屋のうち、ひと部屋は湿気が多くて、夜の間に天井から水滴が滴り、床に水たまりが出来るほどだ。
 所有者に言い付け、点検して貰ったが、原因が分からない。
 天井裏に水道管があれば、そういうことが起こりうるが、まったく何もなく普通の天井だった。
 家賃を下げて貰い、そのまま暮らしたが、結局、その部屋を使わなくなり、倉庫にした。居間の方では、エアコンやテレビが勝手に点いたり消えたりした。よく「隣家のリモコンの電波を拾うから」と言うが、周囲は畑で、隣の家までは三四十㍍あった。
 そのうち、誰も居ない部屋で物音がするようになった。どんどんと床を踏んだり、物が倒れたりする。
 扉の隙間から、部屋の中に人がいるのが見えたりもした。
 私が見たのは、小さい子どもだった。五歳くらいの女の子だ。
 仕事が忙しく、家のことにはかまけていたのだが、数年で、家を買ってそっちに引っ越した。

 どうやら、その時と似たような状況になるのかもしれん。
 ま、今の家では「ここは自分のテリトリー」という意識があるので、あまり動じることはない。

 話を戻すと、六回もチャンネルを替え、その都度、「お前の思う通りにはならねえぞ」と言って元に戻したら、ついに諦めたのかチャンネル替えを止めた。
 だが、携帯の通話アプリが勝手に作動して、着歴から番号を拾い、電話を掛け始めた。すぐに切り、先方には繋がらなかったが、これも通話アプリを指定して、着歴を開き、その中の番号をクリックするという複数団塊の操作が必要だ。いかにも不自然で合理的な説明が出来ない。

 ちょっと度が過ぎて来たので、少し懲らしめる必要があるようだ。
 身の程を教えずに、事態を看過すると、中韓人みたいに図に乗る。

 殆どの人にとっては「異常な話」だと思うが、こういう問題を抱えた者にとっては、単なる「現実の一端」でしかない。
 年齢が上がると、これから同じようなことが起きる人も出ると思うが、最も重要なことは、「怖れぬこと」だ。恐怖心は相手に従属することで、それを利用される。異常な出来事に慣れるには経験が必要なのだが、起き始めると次々に起きるので、すぐに慣れる。
 あと他人を頼らず「自分自身で処理する」ことを心掛けると、案外あっさり通り過ぎる。
 元が生きた人間だったなら、せいぜいその範囲内での煩わしさだと思えばよろしい。
 「こんなのはどってことはない」が最大の真言でありまじないだ。

 ま、初めて「声」を聴いた時には、心底より驚き、動揺したから、そういう時に備え、経験者の知人と関係を保ち、いざと言う時には助言して貰うのが良いと思う。(もちろん、私のような「死にかけ」ではない者だ。)

 さて、テレビは端末などを総て取り換えてみようと思う。ハードが脆弱になると、容易に操作されやすくなる。これを修正して、まだ収束しないなら、いよいよ浄化の手続きに入る。