日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ついに百万越え

ついに百万越え
 家人のインスタが公開十日にして百万アクセスを越えたそうだ。
 思わず「すぐに広告を取れるように手続きしろ」と伝えた(w)。
 だが、アクセスはたったひとつの動画に集中しているそうだ。それは「バーサンが踏切の中で動けなくなっている」のを撮影したもの。この一本だけに百万アクセスだった。

 警報が鳴っているのに、バーサンが渡ろうとしたが、途中で止まった。すぐに誰かが「早く出て。あと一分で電車が来るよ」と叫んだが、バーサンが動けない。
 その時、周囲に沢山の人がいたのに、誰一人助けには行かなかったそうだ。その様子を撮影した動画を世界が観ている。

 「列車事故の場合、助けに入った人だけが撥ねられるケースがよくあるからだよ。周りの人も助けたいのだが動けない」

 そういう経験が当方にもある。
 練馬に自分の事務所があった頃の話だが、区役所付近に十三間道と旧道の交差点があった。
 片側二車線で、関越道に入る手前なので、青信号であれば七十キロくらい出して車が行き交う。
 車道側の信号が青で、横断歩道側が赤だった時に、八十くらいのジーサンが道をトコトコと渡り始めた。いわゆるボケ老人の振る舞いだ。
 皆が「あああ」と呻いたが、誰も動けなかった。
 何せ目の前をびゅうびゅうと車が行き交っている。
 当方も真ん前で見ていたが、数歩出ると車に当たってしまうから、助けに行けない。

 ところが、驚いたことに、そのジーサンはただ前だけをぼんやり見て、ゆっくりと道を渡り、結局、道の向こう側まで渡り切ってしまった。
 まるでどこかの大学の「集団行動」を見ているかのようで、数十センチの差でどの車にも撥ねられなかった。
 一台だけバイクが当たりそうになり、ほとんどジーサンにかする間合いで通り過ぎた。目の前にいきなりジーサンが出たから、そのバイク乗りはさぞ驚いたことだろう。バイクは急な進路変更が出来ぬから、体を傾けて二十㌢くらい脇に寄せた程度だった。
 何十台もびゅうびゅうと車が来ているのに、際どい所でどれにも当たらなかった。
 間近で見ていて、「数秒後にジーサンが撥ねられて死ぬ」という確信があった。だが死なぬし、当たりもしない。
 あれは助けようと思って道に跳び出したら、その人の方が撥ねられたと思う。
 この時には、さすがに「あのジーサンはまだ死なない運命だったのだな」と実感した。そうでなければアリエネー。