◎まだ生きてた
邪心が溜まったので、月曜はそれを解消させるために、コロナ以前の時のコースでじっくり自然を眺めた。
帰路、スーパーに寄り、中トロとか生鮮と買った。
その時に、ふとストッカーを見ると、栗蟹が並んでいた。
栗蟹は北海道から三陸に掛けて、沿岸で獲れる近海蟹だ。
子どもが蟹籠でよく獲っている。
小型なので、食べられる身は少ないのだが、味噌汁にすると濃い味になる。平蟹や丸蟹と同じ。
買って帰り、捌こうとしたら、まだ生きてた。
「申し訳ありません」
まるで、同郷人を手に掛ける「死刑執行人」の気分になる。
この手の蟹は、生だと味噌や身が流れ出てしまうので、さっと下茹でしてから、捌いた方が分けやすい。
一分下茹ですると、全体が赤くなる。
蟹アレルギーがあるので、汁を少し吸うくらいだが、やはり味が濃い。
なじみが薄い蟹のせいか、割と大き目のサイズでも数百円で買える。適材適所で、「これはスープを味わうためのもの」と見なすと、充分に楽しめる。