◎雑銭の中から
雑銭を整理していると、鉄一文銭の中に背盛を発見した。
背に盛字があるののは当四文銭だから、寸法がかなり小さい。
すぐに計測してみたが、27ミリだった。
プラ製のノギスは金属のそれより、若干、大きく見えるようだから、おそらく26ミリ大になる。
見つけた時には「ついに見つけたか」と思った。
手元に八戸方面で作られた背盛字母銭があるのだが、この通用銭かと思ったのだ。
しかし、こちらは25ミリ台だから、さすがにまだ大きい。
もちろん、この辺になると、一文背文銭と変わりないサイズなので、かなり小さく見える。一文銭に混じっているのだから当たり前だ。
ちなみに、八戸背盛の母銭は、称浄法寺背盛の母銭の小さいものにそっくりだが、これはひと目で判別できる。こちらは背の谷が深いのだが、浄法寺銭は大半が背を削っており、谷が浅くなる。盛字が潰れる癖もそのせいだ。
左側の山内(浄法寺)背盛の背と比べてみれば一目瞭然だ。
鋳写しを重ねた小さい方の「谷が深い」ことなど、通常はあり得ない。
こういうのは一目で判断できねば、南部銭の収集は向かないと思う。きちんと教えてくれる良き先輩を持つことだ。
ところで新型肺炎の影響でコレクション界も沈静化しているようだが、実はこういう時が「買い頃」だ。通常の相場より、安い値段で買える。
ま、安心なのは金物なのだが、希少品ほど時代相応の評価がなされるから、難獲品を得るのはこう言う時だろうと思う。
半年も経てば、情勢はいろんな意味で落ち着いている。
その時に「無事でいる」ことが必要なのだが、その時はコレクションがはるかに充実している。
現金を抱えていてもあまり意味はなく、社会全体が危機に陥っていれば、お金(紙幣)の価値は無くなる。その意味では、金が安全確実だろう。