◎今日の病院めしはカレー
看護師のチエコさんに頼みごとがあり、朝一番で声を掛けようと思っていたのに、チエコさんは休みだった。
用件は先週の土曜日の問診のことだ。
私は一月に花粉症から気管支がおかしくなり、それがぜんそく症状に発展し肺炎に至った。息が苦しいので、当然食欲もない。何もしていないのに、このひと月でまた1キロ以上痩せた。
ところが土曜の非常勤の医師は「食欲がない」「体重が減っている」ことだけ聞いて、「胃カメラやりますか?」とバカタレなことを言う。
「要りませんよ」と言うと何かむっとした表情だ。
その瞬間、「ああ。コイツはタコ医者だ」と思った。
非常勤医だと、登院したその日にカルテをチラ見した範囲で判断するから、時々アホな見解に至る。
専門バカの場合、自意識が高いので、自分の意見を曲げぬし、異論を聞くと意固地になる。
この先が眼に見えるよう。
困ったことに、私は表裏のない性格で、考えていることを顔に出してしまう。
ちなみに私が誰かの陰口を言うことは一切無い。本人に直接言うので蔭口ではなく「表口」だ。
ま、この場合、陰口を言う者の百倍嫌われる。
で、今後はその医師の顔を見る度に、たぶん、「タコ医者」と言う言葉が頭に浮かぶ。
そればかりではなく、たぶんイジってしまう。
例えばこんな具合だ。
「先生。先生は学生の時にスポーツをやっていましたか?」
「大したことは無いですが、サッカーを少々」
「体は柔らかかったでしょうね。体が柔らかいとスポーツには役立ちます。先生は柔らかそうなタイプですね」
だってタコだものなあ。
これを繰返し繰り返しやると、そのうちに相手が「おかしい」と思うようになる。ま、それを遠回しに言うためにからかうわけだが。
だが、専門職は自意識が半島人並みだから、自分がコケにされていると分かると、きっと相手を「殺そう」と思うだろう。
面倒臭いことになるから、私にその気配が出たら、チエコさんに肘をつついて貰おう。それがチエコさんへの依頼案件だ。
このところ、私は血中酸素飽和度が90%前後だ。
目安では、もはや入院措置のラインで、酸素吸入器が必要だ。
実際、装置は準備してあるらしいが、私が「大丈夫です」と断って来た。
肺の症状が酷く、熱があれば、完全にコロナ感染の域なのだが、熱は出ない。
これで「胃カメラ」だとさ。どんだけタコ医者なんだよ。
このところ少しずつ良くはなっているが、さすがに激的改善はない。
ひと月くらい、ほとんど食事が喉を通らなかったので、かなり痩せた。十月には82キロ以上あったが、今は76キロ。
この日の病院めしはカレー。カリウムを下げるため、ジャガイモを入れずナスが入っている。
病院食のカレーは薬臭くて不味いのだが、ようやくご飯が食べられるようになって来たので、美味しく感じる。
まだ息苦しいので、明日には血中酸素測定器を買おうと思う。
限度を超えて下がると、コロナ患者と同様に、意識を失いそのままお陀仏だ。