◎夢の話 第1K69夜 案件が違う
14日の午前二時に観た夢です。
どこか地方の市役所に打ち合わせに行った。職務が「政策点検」「組織改革」だから、市役所は珍しい。予算的に「県」の企画部や総務部でなくては費用が捻出できぬからだ。
打ち合わせと言っても、仕事はこれからで、下調べの段階だった。担当のチーム五人と顔合わせをして、内容を調整した。
すると、別の課から人が来て、顧客の課員に「会議をしているからちょっと来てくれ」と言う。
すると、私の担当者が「現況について伝えたいので、あなたも一緒に来てほしい」と言った。
役所内部のことなので、明らかに当方の仕事ではないのだが、組織内部の状況を調べる位にはちょうどよい。コンサル的には重要な機会だ。内心で喜んでついていった。
すると、会議室みたいなところで、複数の課の役人が集まって会議をしていた。
私と担当者が席に着くと、いきなり誰かが立ち上がって、「企画課さんにこういうクレームが来ている」と言う。五十歳前後の管理職や役職だ。
市民から苦情が寄せられたそうだ。
内容はこう。
「市役所の調査だとか言って人が来たが、その調査員の態度が悪すぎる。当家を小馬鹿にしたようなことを言った」
あとは「こういうことがあっては困る」とダラダラ愚痴をこぼす。この人は何やら、役所の中で割と力を持つ部長さんだか参与だからしい。
私の担当者は神妙な顔をして黙って頭を下げている。
すると、こちら側が低姿勢だと見ると、男はさらに居丈高になった。「管理が甘い」「やり方が下手」だのとくどくどと言う。
私が関わる直接の担当はまだ四十前なので、「叱責されている」という状況だけで、ひたすらうなだれている。
「調査と言って、きちんと選定せずどっかのコンサルに委託して・・・」
たまたまその場に居合わせただけだが、こちらにもお鉢が回ってくる気配になって来た。
田舎の役所に行けば行くほど、権力争いが露骨に行われる。田舎者ほど同じ大学出身者などの「閥」を作りたがる。
そういうのは役人ならでは、田舎者ならではだというのを知らない。その世界しか知らんからだ。
こんなのに関わっては居られんので、担当の代わりに私が声を上げた。
「恐縮ですが、事実を確認しましたか?」
「直接電話があったんだよ」と男が言う。
「でも、調査員が市民宅を直接、訪問する方式の調査はやっていませんよ。調査自体これからですし、クレーム自体が我々に対してのものではないように思われます」
明らかに別の課の別の案件の話だった。男は当方の担当課に何か因縁をつけようとしていただけ。担当は主任クラスだから、他の部課とはいえ、管理職に抗ったりしないのを当て込んだ。
「なんだって。言い逃れをしようと言うのか、お前は」
はいはい。初対面の相手に「お前」ですか。
コイツは市民意識調査を実施するという話を小耳に挟み、それを利用すべく、状況を良く調べずに問題自体を拵えた。
市民のクレームを盾にとって、こっちの担当課を尻に敷く。
そういう筋書きだ。
恐らくは、実際にどの課に対してか、何かしらのクレームがあったのだろう。だが、それを企画課に対するものとしてでっちあげた。どこかのメディアがやりそうな展開だ。
小さいこと、あやふやなことでクレームを言い出す客(この場合は市民)はどこにでもいる。多くは「思い込み」で事実ではなかったりするから、まずは事実を確認することが重要だ。
放置すれば、ことあるごとにコイツが出て来て、居丈高に罵るようになるだろう。ま、この手合いは中央地方関係なし。
初対面だが、こりゃ、今ここでこっちがコイツを吊るし上げて、二度と口を挟まぬようにさせんとな。
役所や大きな組織には、必ずこういう輩がいる。
腹を立てながら、ゆっくりと覚醒。
珍しく夢の中の「俺」は三十七八歳くらいだった。
不快な内容だが、道理でネットフリックスでドラマを観るべく座ったら、そのまま後ろに倒れて眠っていたようだ。
「癒し水」を供えることなく眠りに落ちると、たちまち悪い夢を観る。
少し面白いのは、今の私を取り巻く状況だ。
「死の危機が少し遠ざかっている」
「幽霊たちが間近に立つことが少なくなった」
不安が減った筈だが、今度は人事面で「良からぬ夢」を観る。
また、「自分がどう生きるべきか」みたいなことで鬱屈した精神状態になりがちだ。
こういうのは、定年退職した直後のオヤジが罹りそうな典型的な「うつ病」だ。
私と同じくらいの年齢のオヤジジイであれば、きっとこの手の気分に悩まされていることだろうと思う。
割と健康で、かつ耳元で恨み言を囁かれぬ者が罹る「心の病」だ。
うつ病のヤツに対処するのは苦手だし、嫌いなのだが、自分にも起きるので理解は出来る。ウエシマさんやワタナベさんはこの流れの中にいたと思う。
私の場合は、「死」「霊」に加えて、「コロナ生活苦」があるから、うつ状態になれる期間はほんの数日だ。まだ月半ばなのに月末の心配を始める必要がある。
たぶん、日々、気分のすぐれぬオヤジジイは多いと思う。
それは、自分にとって仕事が「人生の柱」だったからで、それから解き放たれたことの反動だ。働かぬと、体も心もすぐになまる。
この数日の状況を観察して分かったが、まだ悪縁が傍にいるようだ。手を変え品を変え、足をすくおうとしている。事態を悪い方に捻じ曲げよう、捻じ曲げようとする意志が感じられる。
あの世的手法でなく、今度は人事に潜り込んで来たか。
心が萎えることも、悪縁が寄り憑くことも、「老い」や「衰え」と無縁ではない。
私は悪意の所在を意識出来るからまだましな方で、他力を感じ取れぬ者は、ただひたすら苦悩すると思う。
うつ病の人とは友達にはなれない。病因が「人生への向き合い方」によるもので、人事は当人が解決するしか道はない。私が助言出来るのは幽霊対策だけ。
ま、年齢的に「うつ」どころではない病気が身の上に降り注ぐから、すぐに忘れる。そのうち六十五歳くらいになれば、一気にばたばたと亡くなる人が増える。