日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K70夜 警告

◎夢の話 第1K70夜 警告

 十一月十六日の午後二時の仮眠の時に観た夢です。

 

 この数日、何だか体が重い。体調自体には変わりが無く、身体的理由ではないようだ。

 とにかく肩から背中が重苦しく、歩こうとしても足が前に出ない。

 「またどこかで良からぬものを拾ったか」

 そこで、この数日の記録を開くことにした。

 俺は日常の中で、何となく気にとまった物事を撮影している。兆しがあれば何か出ているかもしれぬ。

 

 「そう言えば、二日前に知人に会ったのだったな」

 たまたま「近くに来る」というので、最寄りの「道の駅」で待ち合わせ、数十分ほど話をした。

 知人に会うのは三十年ぶりだったが、所用で赴く経路の途中に俺の家があった。

 俺は「他人付き合い」を殆ど止めているのだが、今回だけは例外にした。たぶん、その知人と会うのはこれっきりになるだろうし、外出してもその場所までなら短時間で済む。

 最寄りの道の駅には飲食スペースがあったので、落ち合う場所をそこにした。

 駐車場に車を入れると、既にそこのテーブルに知人が座っているのが見えた。

 「久しぶりだな。どうしてた?」

 背中に声をかけると、知人が振り向いた。

 

 ひとしきりそこで話をしたが、特に用件は無いようだった。

 とりあえず数十年ぶりだし記録を撮ることにした。

 道の駅の端には雑木林があり、その入り口に腰の高さくらいの岩があった。

 二人でそこまで移動して、交互に記念撮影をした。

 その後、駐車場から去り行く知人を見送ったが、俺はそこで気が付いた。

 「あいつは何で俺に会おうと思ったのだろう」

 今日はさして中身のある話をしていなかった。

 これが仏七日前の話だ。

 

 その時の画像を開いてみた。

 岩の前に知人が立っている。ごく普通の記念写真だ。

 だが、よく見ると、知人の周りに煙が出ていた。

 快晴の日だし、湿気や日光の照射角などの影響もなさそうだ。

 「だが、光の進み方に歪みがある」

 雑草地に岩が立っているだけで、他には何もない。

 だが、知人の周囲には何とも言えぬ嫌な気配が充満していた。

 「こいつか、この場所が障りを抱えているなあ」

 人影やそこに有り得ぬ光が見えれば話が早いのだが、その手の標識は何もなく、副反応である煙玉も出ていない。

 「ひとの姿が見えぬ時の方が厄介でしつこいんだよな」

 殆どの人は「そこにはいない筈」のひとの姿や景色の歪みを見て、初めて異変に気付く。

 しかし、そういうのは「ここにいます」と知らせてくれるようなものだから、ごく軽い方だ。

 障りの重いものは、当事者に気取られぬように、かたちを示さぬことが多い。

 悪意を持って人に使づく者と振る舞い方は同じだ。他人の家に盗みに入ろうとする者は、留守時か家の者が寝静まった時にこっそり入る。

 

 「どっちなのだろう。あいつか。それとも」

 通常は求められなければ助言もしないのだが、見ず知らずの相手ではないし、既に俺も関わっていた。

 そもそも、死にかけの状態の俺のことを「思い出した」ってところに違和感を覚える。

 通常は生き死にに関わるような問題を抱えるようになった時になり、初めて俺の顔が思い浮かぶ。

 そして、心が弱っていれば、なお一層、寄り憑かれやすくなる。

 

 もちろん、俺の単純な思い込みかもしれん。第六感に客観的根拠はない。

 「とりあえず、あそこに戻ってみるか」

 知人に対し、いきなり「お前は何か問題を抱えているのか?」と訊く前に、外堀を埋める必要がある。

 あの雑木林の岩は、まさか元は何かを封じた祠だったりしないだろうな。

 他の者なら影響など何も生じぬのに、俺だけに重大な障りが降って来ることがあるのは、これまで幾度も経験した通りだ。俺は書き言葉では平気で第六感の話を書くが、普段の会話の中で「あの世」を持ち出すことはない。当たり前だ。

 「まずはあの岩を見て、異常が無ければ、あいつに確かめよう」

 腹が決まったので、俺は腰を上げ、あの「道の駅」に向かうことにした。そこまではほぼ十五分で行ける。

 着替えをして、家の玄関を開けて外に出る。

 すると、ドアを開けた瞬間に声が響いた。

 「※※ちゃん。行ったらダメ!!」

 その声が余りに大きかったので、俺はたちまち目を覚ました。

 ここで覚醒。

 

 「※※ちゃん」は、私が小学生の時の愛称だった。名前の響きとはあまり関係ないから、これを知る人は、親戚か幼馴染数人だけだ。何十年ぶりかでその呼び方をされた。

 これだけはっきりと制止されることはない。

 場所と人の両方に問題があり、それに関わると、むしろ私の方に重い悪影響が生じる。

 「自ら飛び込むな」と言っているのだった。

 

 ブログやSNSに画像の中の問題を指摘しても、それを認識できる者は殆どいない。

 公に公開しているのは、元の画像の情報量が数百分の一のサイズのものだということもある。

 多くの場合、目に見える姿を指しているのではなく、視線など、心の動きに関係した兆候のことを言っている。視線はかたちには現れない。

 

 いつも「女が傍にいる」という気配を感じるが、かなり古くから近くで見ている者も居るのだろう。

 しばらく見ていなかったが、昨夜、カウンターの脇で女が動くのを見た。

 夢はそのことの暗示(明示?)するものだと思う。