日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音 R061204 一人多い

◎扉を叩く音 R061204 一人多い

 深夜に玄関のドアを叩く音が響く話の続き。

 この月曜は家人が扁桃腺炎で寝込み、殆ど部屋にいた。
 当方は概ね居間にいた。
 夕方になり、そろそろ娘の迎えに行こうかと言う頃に、廊下を歩く足音が響き、玄関から出て行ったような気配があった。
 「調子が悪いのにどこに行ったのか」と思っていると、再び玄関が開き、中に入って来る。
 足音の重量感から見て女性だ。
 家人が戻ったのか、あるいは娘が歩いて帰宅したのかと思っていると、足音は廊下から階段を上り、当方の仕事部屋の方に向かった。
 「おかしいな」
 居間を出て二階に上り、自室を確かめたが、もちろん、誰もいない。
 家人の部屋に行くと、家人は「ずっと部屋にいた」と言う。
 念のため、娘の部屋を覗いたが、帰宅した形跡はない。

 居間に戻ると、娘から電話が来て、「今、駅に着いた」。
 ではさっきの足音は誰だったの?
 息子は夜中に帰るので、該当する人間がいない。
 
 当家はこの手の出入りが多いので、驚きはしないのだが、これまで聞いたり、見掛けたりした者とは明らかに違う。
 当て嵌まりそうなのは、車の前の持ち主の女性だ。
 ここで、「そう言えば、これからはウチの家族になれと言い付けたっけな」と思い出した。
 また一人増えたかもしれん。

 これで、「カウンターの脇に立つ女」と、時々「浴室にいる女」、それと「家中を歩き回る女」の三人になった。
 当方が死んだら、当家は事故物件になりそうだが、一番煩いのは当方自身だろうと思う。
 何せ、自分が死んだ後も、普通にこの世に出入りしているような気がする。

 つい数日間に、家人も「家の中に人の気配が余分にある」と言っていた。