日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ビジネスホテルにて

◎ビジネスホテルにて

昨夜は急遽、ビジネスホテルに泊まったが、寝ようとしていたら(まだ覚醒時)、がちゃっと扉が開き、「誰か」が入って来る気配があった。
「え」とそっちを向くと、壁の陰に気配だけがあって、姿を現さない。
ベッドから見ると、入り口は壁の陰に隠れている。

すると、またがちゃっと扉が閉まる音がしてその「気配」が出て行った。
あまりにもはっきりした音なので、最初は従業員が勝手に入ってきたのかと思った。
(これは東南アジアの安宿に泊まると時々ある。)

我ながら、本当に「嫌だな」と思うのは、その時部屋に入ってきた「何か」(あるいは「誰か」)が、ブツブツと話している声を耳にしてしまうことだ。
意味不明の恨み言で、日本語のような外国語のような文言なので、そこで初めて「あれは生きている人間じゃなかったのか」と悟る。
この手のには慣れたので怖くは無いのだが、極めて不快だ。

ホテル・旅館系は声だけが多い。
これは十年くらい前のことだ。
YG原で旅館に泊まったら、深夜2時3時になっても、隣の部屋から話し声が煩く響いて来る。
女子会で来た3人組らしく、彼氏の話とか、仕事の話だかを大きな声で話すから、こっちはまるで眠れない。
酒を飲むと、もの凄く声が大きくなる女子が時々いるが、普段は押し隠していたものが解放されるせいだろう。

しかし、話し声は本当に煩く、帳場に文句を言おうかと思うほどだ。
ところが、朝起きて、隣を覗いて見ると、誰かがいた形跡がない。
普通、夜の食器類が外に出してあるのだが、それが無いし、布団も出ていなかった。
そこで気づいた。
「なあるほど。壁を超えてあんなにはっきり声が聞こえた理由はただひとつだよな」
すなわち、声がしていたのは、隣の部屋からではなく、当方のいた部屋の壁際ということ。
女子会は当方の部屋の中で開かれていたのだ。

以上は実体験だが、怪談に直すならこうする。

隣の女性たちの話し声があまりにも煩いので、私は帳場に電話を掛けた。
女将は寝ていたらしく、ようやく8回目に受話器を取った。
「あのう。216号ですが、隣の部屋が煩くて眠れません。注意してくれませんか」
「どっち側ですか」
「たぶん、215ですね。女の人たちが酔っ払って大騒ぎしてるんです」
すると女将が言った。
「え。そんな筈は無いのですが。今晩はそこにお客は入っていません」

どちらかと言えば、「声は俺の部屋の中でしていた」方が気色悪いかもしれん。