日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第736夜 新たなる敵

◎夢の話 第736夜 新たなる敵
 14日の午後十時に観た短い夢です。

 瞼を開くと、目の前に妻が座っていた。
 「駅前で面白いものを売っていたから、オトーサンのために買ってみた」
 何か紙の包みを2つ置いた。
 ひとつめの包装を破ってみると、猫の頭が顔を出した。
 もちろん、人形で、シリコンかウレタンで出来た黒猫だ。
 袋から出すと、腰を下ろし両手を床についたお馴染みの猫のポーズをしている。
 「ふうん」
 その黒猫を見ていると、何となくただの置物ではないように気がする。
 ついついじっと見詰めてしまった。

 猫は生きているヤツと同じように、そっぽを向いている。
 人形だから、愛想が無いのは当たり前だが、気配を押し殺している雰囲気がある。
 「コイツ・・・」
 1分ほど眺めていたが、そこで気が付いた。
 「お前。本当は喋れるんじゃねえの?」
 猫はじっとしている。当たり前だ。置物だもの。
 妻があきれたような顔で俺を見ている。
 俺は人形に対し話を続けた。
 「おい。俺のことは騙せないよ。お前は本当は喋れる。お前は人形だが、お前の中には魂が宿っているからな」
 人形に身を窶して、俺の近くに取り付こう。そんな算段だ。
 もうひとつの紙袋に目を向けると、袋の端からピエロの頭が出ていた。
 こっちも人形だった。

 「お前ら。俺のところに入り込もうとすれば・・・」
 俺は後ろに手を伸ばす。最近は常にご神刀を傍に置いているのだ。
 「ぶった切る」
 すかさず刀を抜いて、黒猫とピエロの両方を斬った。
 
 この時、少し離れたテーブルで、声が響いた。
 「ああ。なかなか上手く行かないなあ」
 妻の声だ。妻は居間のテーブルにパソコンを置き、仕事をしていたのだ。
 「すると、今、俺の前にいる女房は・・・」
 こいつも黒猫の仲間ということだ。
 そこで俺は、刀を振り上げ、妻のふりをした「何か」を袈裟懸けに切った。

 妻のふりをした「何か」はへなへなと崩れたが、やはりこいつもウレタンか何かで出来た人形だった。
 妻の人形が崩れ落ちると、床から女の声が響く。

 「そのうち、取り憑いてあげるからね」

 これで総てが把握できた。
 「なるほど。これは俺の宿命なんだな。悪霊を見極め、倒すのが俺の務めだ」
 ま、相手にとって不足はなし。
 もう関脇より上の役が出てきているわけだしな。
 「それじゃあ、刀だけでなく、念を強く籠める練習をしとかねば」
 ここで覚醒。

 目を覚ますと、家人がテーブルでパソコンを使っていた。
 主筋の他は現実に繋がっていた模様。
 「となると、いずれまた来るわけだ」
 大体、優しそうな言葉を掛け、あれこれと利益になるようなことをしてくれる風のヤツこそが悪の中核になっている。
現実の人間と同じことだ。
 生きている間も、死んだ後も、俺はこういう敵と戦うことになっている。
 これからも戦いは続く。

 夢判断のアイテムとしては「黒猫」は吉兆のサインです。
 そのうち幸運が来るということ。
 ま、この冬を生きて越せただけで、十分に幸運です。