◎夢の話 第753夜 猫
夢は心の中を解き解す鍵だ。夢の内容を観察することで、自身の心の状態がよく分かる。
これは17日の午前3時に観た短い夢。
夢を観ている。
過去の記憶を辿る内容で、昔の知人が次々に現われた。
穏やかな話なのだが、その途中で唐突に声が響いた。
「ニャアア」
猫の声だった。
一瞬で、ハッと覚醒に向かう。
「もしやトラの声か」と思ったからだ。
トラは神社にいた猫で、鳥居の近くに座って参拝客を向かえ、時には案内までしていた。
さらに、もう一度、「ニャア」と声が聞こえる。
ここで冷静になり、「野良猫が発情でもして騒いでいるのか」と考えた。
「いや違うな」
何故なら、その声は私のお腹の中から聞こえて来たからだ。
これが、「お腹の調子が悪くて」「お腹が減って」鳴ったのなら、笑い話で済むのだが、はっきりした猫の鳴き声だった。
「もしこれがトラなら、嬉しいよな」
傍にいてくれたという意味だから、歓迎すべきことだ。
しかし、私はこういう時の「勘」が働くほうだ。
この声がトラの声ではなく、「トラだと思わせようとする声」だと気付いた。
ひとを騙そうとする者は柔らかく優しい口調になるが、それと同じだ。
まさに「猫撫で声」そのもの。
「また外で拾って来たのか」
かなり昔になるが、あまりにも日常的に異変が起きるので、霊感教会で見てもらったことがある。
女性の霊感師は、開口一番に「あなたは神霊体という性質を持つ人で、常に霊と関わりが生じます」と言った。
今はその意味が分かるが、簡単に言うと「燈台」と同じことだ。あの世の者から見ると、私が燈台のように明るく見える。それで、寄り集まって来ることになる。
多くの場合、影響は無いが、たまに「性質の悪いもの」を拾うこともある。
悪意を持ち、その悪意を実現するために、私を利用しようとする者だ。
こういう猫もそのひとつ。トラのふりをして、自分を受け入れて貰ったら、その後はゆっくりと、自身の思うがままに私を使おうとする。
もはやお経や真言などは不要になったかと思っていたが、まだこういうこともあるらしい。
体を起こし、九字を唱え、ご守刀で周囲を斬った。
猫のくだりは夢の内容ではないのだが、カテゴリーが見付からないので、ひとまずここに記録する。
自分のお腹から「猫の鳴き声が聞こえた」などは、まだ可愛いほうで、前に「ひとの話し声」が聞こえたことがある。
ものを考えている時に、「だからそう言ったでしょ」みたいな返答が、頭ではなくお腹から聞こえて来たのだ。女の声だったから、さすがにその時はぞっとした。
それに比べれば、どうということもない。