日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K96話 これは何ですか?

夢の話 第1K96話 これは何ですか?

 八月二十一日の午前三時に観た夢です。

 

 長らく連絡の途絶えていた知人が、唐突に訪れた。

 「相談したいことがある」のだそうだ。

 その知人が語った内容は概ねこんな感じ。

 

 「これまで何ら連絡しないで来たのに、甚だ恐縮だが、どうにも処置のしようがなく相談に来ました。自己都合で来ているので恐縮ですが、出来る範囲で結構ですので教えてください」

 

 知人は前を開き、自分の腹を見せた。

 右側の胸の下から臍にかけて、剛毛が生えている。

 「熊の毛」か「女の髪の毛」のような黒くて太い毛だ。

 密集しているというより、幾らか疎らだが、しっかり存在を主張している。

 「病院で診て貰ったが原因が分からないのです。何かの障りではないでしょうか」

 

 「何か思い当たることはありますか?」

 「いいえ、さっぱり」

 「触っても良いですか」

 「はい」

 手を伸ばして、お腹の毛の生えた箇所を確認すると、熊と言うより女性の髪の毛だった。

 

 「これと似たような経験はありますね。四十台の時に、鼻毛が異様に伸びて一㍍くらい鼻の穴から出たことがあります。他の人に指摘されたのですが、その長さの毛が鼻の中にあれば伸びる途中で分かる筈です。ところがそう言う自覚は無かったし、そもそも毛の質が体毛ではなく、真っ直ぐな髪の毛でした」

 「その長さなら女性のものですね」

 「そうです」

 説明のつかぬ事態だが、思い当たるふしはあった。

 

 「執着を祓うには、念の力を使うほかはなく、それにはその道の修行を収めた者でないと上手に出来ません。私は祈祷師でも霊能者でもないので、障りを打ち祓う行為はしないのですが、ご供養を施すことは出来ます。もちろん、供養の主体はあなたなので、見よう見まねで結構ですので、あなた自身が行う必要があります。まずはそれを試してみて、それで改善されぬなら、お祓いを受けてみることです」

 いきなり他力を頼って、障りが無くなったように見えても、それはい一時的なもので、必ず後で再び戻って来る。原因を解明することと、自分自身で解決することが肝要だ。

 ここで気付く。

 

 「あなたは『思い当たるふしはない』と言いましたが、これは嘘ですね。今思い浮かんでいることがある筈です。そういうのを隠すと解決がどんどん遠くなります。さあ、正直に言いなさい」

 これで知人の目が丸くなった。

 ここで覚醒。

 

 目覚めた時には「腹に髪の毛」の意味がまるでわからなかった。

 「毛先が長くて真っ直ぐ」であるところから、女性の髪の毛に辿り着いた。