日刊早坂ノボル新聞

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◎沈黙の病「動脈硬化の怖さ」

沈黙の病「動脈硬化の怖さ」
 「動脈硬化」は血管壁にリンなどが溜まり、血流を損ねる病気だ。内壁にこびりつき、血管を固くするから「硬化」と呼ばれる。
 自覚症状は、末期になるまで「ほぼ無い」。
 当人は何が起きているのかわからぬまま進行している。
 無自覚の病気だけに、気付くのは後戻りできなくなってからの話になる。
 かなり進行すると、手足の末端が痺れるような感覚を覚える。
 これは血行が悪くなるためだ。
 この時に気付いて治療を始めれば、進行を遅らせることが出来る。
 
 原因は肉や乳製品などの過食による。人によって処理できる機能が違うから、「どれくらい食べれば」という目安はない。その人による。
 焼き肉や乳製品は「中高年になったら控えろ」というのは主にこの理由による。盲点は食品添加物で、リン酸化合物が使われていることが多い。コンビニ弁当や冷凍食品には、ビタミンC系の酸化防止剤に加え、リン酸化合物が多く使用される。要はご飯を食べても、肉を食べた時と同じリンを摂取してしまう。

 リンは水溶性で、過剰に摂取すれば尿と共に排出される。若い頃には、循環が良いし活動的でもあるから、自家消費したり排出したりで、問題が表面化することは少ない。 
 中高年になると、成長が止まっているし腎機能も衰え始めるので、若い時と同じ量を摂取していれば、たちまち過剰摂取状態になる。
 四十歳くらいから、心筋梗塞脳梗塞になる割合が増えるが、これは同じ理由による。脂肪の多い食品を摂り続けていると、これが血管を塞いでいく。
 亡くなる者はこの時に一発であの世行きだ。

 中高年の多くは既にバランスが壊れているので、よほど食事制限をしないと、動脈硬化がどんどん進む。血管のあちこちに障害物が置かれているので、いっそうそこに溜まりやすくなる。
 怖いのは、この段階でも自覚症状が殆ど無いことだ。

 腎不全患者はリンを排出することが出来ぬので、動脈硬化が飛躍的に進行する。普通の人の四五倍の速さで進むわけだが、普通の人でも五十歳くらいからは加速する。
 腎不全患者の場合、食事療法を徹底し、リンの摂取を抑えるので、その後に心臓や脳に障害が生じる人はあまり多くないが、末端の血管が塞がるのは避けられない。
 多くの者が手足の感覚を失い、血行不良のため、いずれは先が腐り切断措置に至る。
 自分が「動脈硬化」の患者だと認識するのは、この直前になって初めてのことになる。
 血行が悪いので、傷が回復しない。些細な切り傷や、足の裏に出来る豆などは、子どもなら三日、普通の大人なら一週間で治る。だが同じものが腎不全患者に起きると、修復(治癒)能力が弱いので、傷が塞がるまで相当の年月がかかる。
 私の場合は踵に出来た豆が完全に塞がるまでには、二年掛かった。今度は足の指先だが、これも同じくらいの年月を要すると思う。
 腎不全患者でなくとも、成人であれば、こちらはゆっくりとだが、同じことが起きる。
 四十を過ぎたら、肉や乳製品、高脂質の食事(ラーメンなど)、保存料を使った食品の摂取量を極力控え目にする必要がある。

 病気には必ず前兆があり、「ある日突然脳梗塞になる」など、宝くじに当たるような感覚に近いように思えるのだが、それが発現(発症)するには、そこに至る複数のステップを経ている。
 ただ、その途中の段階に気付いていなかっただけ。
 「動脈硬化」は、無自覚に進行する病気として代表的なものだと思う。

 画像は回復した後の現状。右足の爪の些細な傷がひと晩で化膿して、足の半分が紫色になった。右足をかばって歩くうちに、左足の先に豆が出来、これが同じ症状になった。
 両方とも親指の先が崩れ去り、欠損状態になっている。
 今回は足を切られずに済んだが、いずれ遠くない将来に必ず「指」か「足」か、「脛から先」が無くなると思う。
 中高年の人には、食事の仕方を見直すことと、手足の微妙な感覚に気を払うことをお勧めする。
 血管に最もよい運動は「軽く汗を流す」内容で、「ゆっくりと1キロくらいの散歩をする」程度のものが一番良いようだ。鍛えることは必要なし。負荷をかけすぎると反動が生じるし、運動の後で余計に飲み食いする。運動は免罪符にはならない。