日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病棟日誌 悲喜交々 12/30 「Nさん帰る」

病棟日誌 悲喜交々 12/30 「Nさん帰る」
 朝の体重計測の時に、自分の名前を言うが、そんなのは儀礼にしか過ぎず、元より顔と名前は承知している。すべて「他人の保険証で受療する」者がいるせいだ。本人確認が必要なのはこのためで、とりあえず外国人の不正使用を防御すれば、国民医療費の何割かは減る。早くマイナ保険証に切り替えて、保険証に顔写真をつけろよな。この面倒臭い儀礼が軽減される。
 何時も言うが、マイナ保険証への移行は必至だ。そうしないと税金が「観光で訪日した中国人」に食われてしまう。
 生活保護の場合、不正受給が1%以下で、その多くが在日なのだが、そういう者が僅かでもいることで、「外国籍」のイメージが悪くなる。ネットではひたすら「外国人」を標的に排斥デモを繰り返す者がいる。真面目に働く外国人にとっては、現状では制限されている面が多いのに、不当な利益を得ているように言われる。
 家人は外国籍で現状をよく知っているから、いちいち証拠を上げて反論できる。そもそも二十年も公務で働いているのに、扱いが非常勤で、最近になり申し訳程度のボーナスが出るようになりそれでごまかされている。ちなみに、ひと先ずボーナスは出るが二万円だ。だが公務員共済に入り、徴収の方は常勤と同一条件で二十年されている。公務員共済に加入しているなら、「公務員」と義務は同じということ。
 三年だか五年だかの継続雇用があれば、常勤扱いにするという法令があるのに、現状で公務員がこれだ。
 労働の量は、週五日の分を四日に縮約されていて、実質、常勤と変わらない。家人は外国語講師だが、朝の一時限からその日が終わるまで授業がある。
 そんな教師が常勤でいるのか?
 授業の準備は空き時間には出来ず(空きがない)、ほとんどを家でやるが、これも労働の内だ。要は「非常勤の枠に押し込めていたいだけ」。
 扱いが明らかに不当だ。
 「外国人は」という扇動は迷惑でしかなく、それなら「きちんと義務を果たす者」と「不正を行っている者」を明確にすれば、問題が減るし、扇動家も撲滅できる。大体、誰かを攻撃する者は一面だけ見て言っているし、事実誤認が多い。
 ちなみに、証拠を上げて「これは認識が間違っている」と指摘すると、削除され以後レスが出来なくなる。要は何でもいいから叩きたいだけ。その対象が外国人で、要はマイノリティを差別し攻撃しているだけ。お里が知れる。
 早くマイナ保険証に移行しろ。これは自国民のためだぞ。
 反対する者のほとんどが「手続き」の煩わしさの話。子どもかよ。これを徹底することで何百億円も無駄な出費が減る。
 現場を取材してものを言え。

 で、この日の「名前」は、「坂本スミコです」だった。
 介護士のバーサンは「歌手だったかな」と言っていたから、まだボケてはいないらしい。
 ま、当方のようなオヤジジイでも、小学生の時の記憶による。
 ヒット曲が「夜が明けて」で、歌詞の内容は、言葉は分かるが意味は分からなかった。
 「夜が明けて手探りをしてみた。抜け殻の隣には誰もいない」
 経験を経ていれば、これだけで、共に過ごした年月が体感できる。作詞はやっぱりなかにし礼で、作曲が筒美京平。七十年代の歌謡曲の定番だ。
 歌詞を文字で読むと、なかにしさんは「クタクタと女出入りが多かっただろうな」と思う。すったもんだした経験があるから「ひと刹那」を切り取ることが出来る。

 看護師に聞くと、この日先輩患者のNさんが戻って来たらしい。
 「それでは足を切られずに済んだわけですね」
 足先が紫色の状態から、二週間患部に酸素を送り、壊死を免れたわけだ。最近の医療技術はすごいぞ。
 Nさんは足に痛みを感じてから一週間放置したという。
 昔なら「自然に治った」という記憶があるためだ。だが、もはや昔ではなく、腎不全患者だ。足が腫れ始めてから一週間放置して、指も足も脛も切られずに済んだのは幸運だと思う。

 この日の病院めしはソースかつ。サイズは「マル※ンハンバーグ」より少し小さいくらい。
 病院食は年内この日が最後だが、やはり関東西部の者に共通する好物がソースかつだ。埼玉東部から東京ではこの習慣が無いから、前もってたれ味がついているのに、別添えでウスターソースもついている。

 腎不全になる前の感覚で言えば、今は地獄の日々だ。
 だが、地獄の亡者には亡者なりの身の処し方がある。
 もちろん、ただ死んで行くだけでは終わらせぬつもりもある。

 程なくまた新しい年が明ける。試練の時は続くが、ま、人生こんなもんだ。境遇を受け入れて前に進むしかない。
 良いお年をお迎えください。