日刊早坂ノボル新聞

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◎「黒いひと」の呪縛

◎「黒いひと」の呪縛

 「間もなく死を迎える人」の特徴については、あれこれとこまごまとした指摘があるが、私には既にその大半が揃っている。

 今さらいちいち挙げ連ねたりはしないが、「電気製品が反応しなくなる」もその一つ。「自動ドアがその人の時だけ反応しない」とか、「体温計が働かない」その他だ。

 病院では、朝に必ず複数回の検温があるが、初回はほとんど動かない。器具を取り換えて、動き出しても三十四度くらい。少し歩いて体を動かし、ようやく三十五度だ。

 ま、こういうのはどうでもよい。既に数年前から同じ状態だ。

 二週前に、最も危惧していた状況がやって来たのだが、それが「黒いひと」の来訪だ。「黒いひと」は、いわゆる「お迎え」の一種で、ひと型をしているが人格が無く、影だけの存在だ。

 「お迎え」がどのようなものであれ、人間の姿をしていれば、まだ生き残るチャンスがある。ある程度の対話が成り立ち、中には交渉によって、死期を遅らせて貰えることがあるからだ。

 実際、「お迎え」に会い、連れ去られる寸前で、それを免れた人がいる。

 私自身もその経験があり、七八年前に二人組のお迎えに会ったが、何とか難を免れた。その時の「お迎え」は完全に人間の姿して、普通に歩いて来た。

 これらの体験については、過去に幾度も記したのでここでは省略する。

 

 「黒いひと」には人間らしい喜怒哀楽の感情が塵ほども無い。真っ黒な影だけで、黒い影に手足がついている。

 コイツが現れる時には、正真正銘の「最後通牒」だと言われる。

 私は病院に長くいるので、医療従事者ともあれこれ話をするが、医師・看護師には、この「黒いひと」が死に行く患者の背後にいるのを見た者がいる。

 殆どの人には見分けがつかぬと思うが、「黒いひと」にまとわりつかれた当事者は体感を覚えるから、すぐにそれと分かる筈だ。急に寒気や怖気を覚えるし、悪寒がする。

 今回、たまたま画像の私に「黒いひと」が抱き付いているのを発見したので、すぐにお祓いを始めた。ひとつ間違えると、数週間内に死んでいる可能性もあったが、とりあえず今も生きている。

 一方、これが「単なる気のせい」や「妄想」でないことを示す事態も確認出来る。

 数日前に、私は検査を受けたのだが、このひと月の間に動脈硬化が一気に進み、いきなり十数歳分の齢を取ってしまった。

 下肢に異常が生じており、四月に専門病院に送致される。

 そこで再検査を受け、状態が悪ければ、外科手術を受けることになりそうだ。

 

 昨年も同じような出来事があり、医師・看護師が口を揃えて「心臓のカテーテル治療を受ける必要がある」と言った。数か月に渡り、同じことを言われ続けたが、私はそれが純粋な病気によるものではなく「障り」が招いたことだと知っていたので、総て断った。何せスマホに勝手にスイッチが入り、「(お前に)憑いた」「憑いたぞ」と喚き出すような状態だった。

 結局、私は施術を受けなかったが、幽霊が離れたと思しき瞬間から体調が好転し始め、普通に歩いて通院できるようになった。

 

 さて、「黒いひと」の次には、下肢にしがみつく幽霊の姿が確認出来たのだが、それは今回の検査の何日か前のことだ。してみると、下肢の動脈硬化が一気に進んだのは、わずか数日間のことになる。

 腎不全の患者なので、動脈硬化の進行は避けられぬわけだが、数日に血管が塞がるのは早すぎる。

 そこで今回もひとまず、先方での検査をひと月ほど待って貰うことにして、先に呪縛を解くことを優先させることにした。

 これにしくじると、外科手術どころではなく両下腿を切断する羽目になりかねぬから、慎重さが求められる。

 ま、「黒いひと」が寄り憑いたということであれば、仮に脚を切断したとしても、「それで済めば御の字」なのかもしれん。

 

 このガラス映像を見て判別出来るのは、たぶん、私一人だ。

 私は五千枚以上見ているのに加え、当事者であるだけに体感症状がある。

 もし私が近日中に死んだなら、「黒いひと」の存在が実証されることになる。

 また、もしそれを回避出来るなら、極めて有用な知見になると思う。

 「お迎え」「死神」に会ってしまった時に、生き残るにはどうすればよいかという問いへの答えが見つかるかもしれぬ。