日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第198夜 悪縁

つい先ほど見ていた短い夢です。

目を開くと、すぐ目の前には女性がいます。
知人で、かつては彼女だったこともある人です。

「ここに来る途中で、怖い物を見た」
女性は肩を震わせていました。
「何があったの?」
女性の話はこういう内容です。

ワゴン車に乗った不良4、5人が、騒がしく道を走行していた。
皆20歳になるかならないかの年頃で、窓から身を乗り出して、木刀のようなものを振り回している者もいる。
急発進したり、スピードを落としたりで、何事かわめいていた。
その車が交差点に差し掛かると、信号が変わろうとしたので、車は急に速度を上げ、交差点を超えようとした。
ところが、若い女スマホを見ながら道を渡り出しており、車は正面からその女を跳ね飛ばした。
恐ろしいのはここから。
跳ね飛ばされた若い女が道路の上に転がると、いきなり体が3つに割れた。
それから、割れた体のひとつ1つが、ぷうっと膨れて、鮭の白子か烏賊の切り身のような白い物体に変わった。
あるいは、大きな舌のようなかたちだ。
巨大な舌3本は、車を追いかけると、若者たちをまるごと食ってしまった。

「この世には、説明のつかないものが本当にいるのね」
その通りで、この世には幽霊もいれば妖怪もいます。
あちら側の世界は、この世に重なって存在していますが、それぞれのルールはまったく別です。
重なっているだけに、見聞きすることが出来る場合がありますが、コントロールは出来ません。

「悪縁というのも実際にあるんだよ」
ここで、頭が半分覚醒し始め、自分が居間で横になっていることを自覚します。
(ただし、意識自体はまだ夢の中です。)
「オレはあなたに会ってはいけないんだよ。オレは霊には敏感で、誰かが『もう会うな』と言っているのを感じる。実際に顔を見る度に具合が悪くなる。立っていられなくなることもある」

その上、見てはいけないものまで見てしまう。
目の前の女性の傍らには、黒い影が立っていました。
悪意を持つ女の影です。
コイツは悪霊で、何かと悪さをしては、何度も苦しめられました。
「何だよ。現実のことなら避けられるけれど、夢の中じゃあ、止めようがない」

不平をこぼしながら、ここで覚醒。
起き掛けに、胸の辺りから、ジュージューと異様な音が出ていました。
コイツだけは本物の悪霊です。