日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第254夜 この世の終わり

書籍の配送手続きで、毎日百件以上、各地に送っています。
天気が悪い日は、集荷を頼もうとしても、電話自体繋がりません。
仕方なく車で郵便局や宅配便の営業所に持って行きますが、昼時の初回だけでかなり疲れます。
いったん帰宅して、小休止した後、また積み下ろしをしますが、休憩時間に居眠りをしました。
これはその時に観た夢です。

目が開くと、大きなドームの中にいる。
全面がガラス張りで、大きさは東京ドームくらいもある。
かなり大きな建築物だ。

「ここはどこなんだろ?」
すぐに思い出します。
これはオレが作った避難場所だ。
「核シェルター」に近い構造で、放射線の他、一切が遮断されている。
硝子のように見えるのは超強化セラミックで、透明なので外の様子がはっきり見える。
外は北極のような雪と氷の景色で、どこもかしこも真っ白。

アジアの「人口だけが多い国」が、自らを過信した挙句、戦争が始まった。
指導者が自尊心しか持たないバカなので、いざ劣勢に立つと、核ミサイルを世界中に打った。
オレはその3年前に予知夢を観たので、すかさずこのドームを作ったのだ。
資金源は親の遺産と、宝くじで当たった6億円だ。
天啓があったのか、予知夢を観た翌日に宝くじを買ったら、それが当選したのだ。

もちろん、こんなドームを作る資金には何十億あっても足りないが、オレは見せ銭として現金を見せ、借金でこのドームを作らせた。
もし予知夢が本物なら、オレに金を貸した奴らは消滅するので、何の問題もない。
最初に騙せれば、それで十分だ。

このドームは地下200メートルの深さから、下界とは隔絶されている。
だから、飲料水も底から取水すれば、上で使った後、ただ地面に流しても浄化される。
十分な広さがあり、中は温暖に保たれている。
畑もあり、食糧には困らない。

このシェルターの最大の特徴は、上からお椀を被せるように蓋をする構造だということだ。
出入り口は無く、いったん閉じた後は、200年は開かないことになっている。
途中で気が変わって、外に出たくなっても開けられない。
高校生の時の彼女に、「私も入れて。助けて」と懇願されても開けられない。
心は動くが、やはり外で死んでもらうしかない。

自分の家族を含め、全人類の絶滅を目前にしても、あれこれ悩まないようになっている。
一旦閉じてしまえば、何があっても開けられないわけだ。
情で流され、なし崩しに人がなだれ込まないようにするためだ。

しかし、ごく少人数だけ連れてきた仲間は、5年も経たないうちに皆死んでしまった。
「アジアの人口だけが多く、分別の無い国」が案外早く核ミサイルを打ちやがったので、このドームに入る前に放射能を浴びてしまったせいだ。
最後の1人が死んでから2年経つが、オレはずっと一人で暮らしている。

ある日、オレはいつものように外を眺めていた。
すると、遠くの雪山に小さな黒い点が見えている。
「ありゃ何だろ」
その黒点は次第にこっちに近づいてくる。
3百メートルくらいに近づいたら、それが何かが見えてきた。
近づいてきたのは犬ぞりだった。

前には8頭の犬がいて、後ろのそりには4人が乗っている。
犬ぞりは程なく、オレのドームの前に着いた。
そりから降りてきたのは、がたいの大きな白人だ。
「スゲー。ジョン・ウエインそっくりだ」
もう一人が降りて来る。
「おお。こっちはウイリアムホールデン
となると、後ろにいたのは、キャサリンヘップバーンと、若き日のキム・ダービーだ。
こりゃすごい!
まるで1960年代のスクリーンだよな。

ジョン・ウエインが隔壁に近寄ってくる。
オレの姿を見ると、なにやらがなり立て始めた。
きっと、「オレたちを中に入れろ」てなことを言っているのだ。
たぶん、その後は「後ろに下がれ」とか言って、ライフル銃をぶっ放すんだろ。

だが無理だ。
原爆が直撃しないかぎり、このドームは開かない。
ジョン・ウエイン氏やキャサンリン・ヘップバーンと話をしてみたいし、18歳くらいのキム・ダービー嬢と握手がしたい。
でも、オレはこの場所で、彼らが凍って行くのを見守るほかに術はない。

ここで覚醒。

夢の中に現れたのが、ジョン・ウエイン。
ノスタルジアのなせる技なのでしょうか。
しかし、60年代なら小さい子どもなので、同時代的に映画を観てはいません。

夢らしい夢で、妄想に近い内容です。