日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第148夜 家の前に立つ霊

最近は寝る度に、酷い悪夢ばかり。
これは先ほどの夢。

息子と一緒に外出し、車で信号の手前まで来ると、急に「カンカン」と鳴り、遮断機が下りる。
息子は、「ああ、ついてないな」と呟く。
そこで、「電車が来れば、踏切では人の安全を守るために、音が鳴り遮断機が下りる。交差点では、時間が来れば信号が替わる。それは、お前がついているか、ついていないかとは関係が無い。ついていない理由を探せば限りなく見つかるが、それはお前がそれを探しているからだ」と諭す。
「・・・」
「自分は不幸だと思い始めれば、生きているのも苦しいが、別にこんなの普通のことだと思えばなんともないんだよ」
この世は主観的に作られているからな。受身で構える限り、つまらないこと、苦しいことばかりだ。その考え方をやめれば、人生が少しはましなものになる。

(あれ?これは昼に実際に息子に語ったことだ。実際にあった出来事を反芻しているのか。)

帰宅して、夕食の仕度を始める。
焼き鳥を焼く端から、息子と次女が食べてしまい、親の分はともかく長女の分まで無くなりそう。
「1人分は残すんだぞ」
そこに長女が下りて来て、テーブルに座る。

外でがやがやと声がする。
話し声というわけではなく、1人ひとりが勝手なことを喋っているように聞こえる。
「何だろ?」と息子。
「道中に人がいるみたいだね。見てみる?」と次女。
声はどんどん大きくなり、数百人がガヤガヤ騒いでいるようだ。

長女が、カーテンを開けようと窓の方へ近付く。
「やめとけ」
「え」と長女が振り向く。

「生きている人たちじゃないんだから、興味を持たず無視しとけ。接点を作ると、こっちにまとわり付く」
子どもたちが、父親をじっと見る。

「あの世の部屋割りをやり直しているのさ。だから一時的にオバケが出て来ている。もはや声が聞こえるところにいるんだから、こっちが興味を持てば、喜んで寄ってくるぞ」
「まさか」
長女はバカなので、自分の浅い知識や経験でしか、物事を測れない。
火傷をしないと、火の熱さがわからないタイプだ。

長女がカーテンを開けると、家の前の道に何百人もの人が立っているのが見える。
「わ。スゴイ人数」
ピタッと声が止まる。
一瞬の静寂。
道に立っているオバケの顔が、一斉にこっちを振り向く。
何百もの視線が、居間の中を凝視する。
「きゃあっ」
長女が慌ててカーテンを閉める。

もう遅いよ。見られたもの。
「コンコン」
玄関を叩く音がする。
子どもたちの顔は固まったままだ。
「ドンドンドン」
もの凄い数の拳で、ドアを思い切り叩く音がする。
(ウチの玄関は丑寅の方角だから、鬼門避けをしてたっけな。ま、入ってはこんだろ。魔除けの鏡も置いてあったし。)

居間の窓が、ガタガタ揺れる。
外で「うー」と唸る声が溢れている。
(窓か。こっちには何もしてないぞ。)

ここで覚醒。