日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

(北斗英雄伝) 中尊寺白山神社

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

1週間ほど、東北に行ってきました。
私用も幾つかありましたが、取材を兼ねて三陸沿岸と中尊寺を訪れるのが主な目的でした。

三陸は小本から大船渡まで南下しました。
カーナビを「距離優先」に設定して、ひたすら南下するわけですが、基本的に国道45号線の一本道です。
ところが、途中で突然、「左に曲がってください」との指示が入りました。
「ここで左に曲がったら、遠回りどころか逆方向だよな」
昔の体験を思い出して、少し不安になりました。

かなり前ですが、東北道を南下中、S市付近で、突然「降りろ」という指示が出たのです。
退屈していたので、そのまま指示通りに降りると、一般道を走りS市に入りました。
そして、S市内をぐるぐると回らされた挙句、最後は山の中の墓地に導かれたのです。
S市内では、同心円を描くように、同じ道を何度も走らされたので、はっきりと「これは尋常な事態ではない」と思い知らされました。
(その後の「恐ろしい体験」については、ここでは省略します。)

眼の硝子体から出血してからは、道路の看板に記載された細かい文字が見えにくくなっています。
そこで、水辺を走る道の途中で車を停め、道路標識を読みました。
「魹ヶ崎」と書いてあります。
魹ヶ崎には、道路が繋がっておらず、途中でUターンして戻るほかはありません。
カーナビの方でも、半島の途中まで行って、引き返すような指示となっていました。

「なるほどなあ!」
道路を走行中に考えていたのは、次作の構想についてです。
井ノ川円了と森下林太郎が登場する怪異譚の続きをどうするかということでした。
案は2つ。
少し前に観た夢を素材に、難破船から亡霊が現れたので、円了&林太郎のホームズ&ワトソン・コンビで解決するってのはどうだろ。
陸奥の沿岸なら、最東端の魹ヶ崎辺りだよな」
これが数日前のことで、カーナビの指示目的地がまさにその魹ヶ崎です。
「こりゃ、オレに『書け』と言ってるわけだ」

ちなみに、案の2つ目は盛岡の明治橋にまつわる話です。
この近くには津志田遊郭があり、渡し船で死んだ「小時」の幽霊譚があります。
これらを、円了・林太郎のコンビで解決するという筋で、姉妹篇にすることにしました。

中尊寺の方は、白山神社への再訪問が目的でした。
ここの白山神社では能楽が催されますが、その契機となったのが九戸戦です。
この地の能楽羽柴秀次伊達政宗が来たので、その二人をもてなすために能楽が催されたのが発祥のようです。
中尊寺には毎年訪れていますが、取材を意識して訪問するのは久々です。

今回の陸奥訪問で良かったことは、何かしら「宿命」を感じさせられたことです。
あちらこちらで「この話はお前が書けよな」という意思を感じました。
これはすなわち「まだ死ぬなよ」というメッセージでもあります。
最近は、「オレはあと半年一年の内に死ぬのでは」という思いがつきまとっていたのですが、「まだやるべきことも、やれることも沢山ある」と思うに至りました。

「魹ヶ崎奇譚」「明治橋奇譚」はすぐに書けます。
「北斗英雄伝」の続きも、程なく取材が終わりますので、発進できると思います。

画像は三陸の海と中尊寺の紅葉です。