日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第335夜 悪魔 (その2)

続きです。

「お前は自分自身が『勘が鋭い』と思っている。直感で判断して、生きるか死ぬかの危機を脱したことが何度もあるだろう。だが、それはお前自身のセンスじゃない。俺たちが送り込んでいるのだ」
この話しでピンときた。
「もしかして、競馬なんかの時に送られて来るヤツも、お前たちのせいなの?」
自称「悪魔」は、ここでグフグフと笑った。

「腹が立ってる?」
「そりゃそうだよ。はっきりした映像を送って来るのに正確じゃない」
「世界はこういう風に出来ている。そう教えるために送っているんだよ。人間は成功は自分の力、失敗は『運』のせいだと思いたがるが、そうではない。まあ、見ていろ」
そう言うと、ラテン系の顔をしたそいつが、しゅうっと後ろに下がり、闇の中に消えた。

目が覚めた後は、この夢のことなど忘れていた。
ここからは現実の話だ。
金曜の午後になり、買い物に出かけた。
スーパーの入り口に、宝くじ売り場があった。
「ロト7 キャリーオーバー26億円」と書いてある。
横を通り過ぎようとすると、妙な感覚が走った。
「今買うと8億円当たりそうだな」
店内に入り、買い物をしていると、頭の中でさっきの声が響く。
「当たりそうだよ」
うるさいな。何回も。

仕方がないので、買うことにした。
こうすれば、声が響くことが無くなる。
入り口に戻り、バラバラと30通りくらい買った。
買い物を済ませ、車に乗る。
運転をしていると、対向車のナンバーが妙に目に入る。
末尾の番号だ。
例えば「19」「01」「26」といった具合に、末尾二桁がそこだけ光って見えるのだ。
これって「お告げ」ってこと?
再び頭の中で、声が聞こえる。
「今回は8億円なんだよ」
もう買ってあるっつうのに!
イライラするので、駅前の駐車場に車を止め、みずほ銀行の宝くじ売り場に行った。
ここでバラバラと70通りほど買うと、ようやく気が静まった。
抽選は夕方だが、明日か明後日にでも確かめれば良いわけだ。

土曜の朝になり、新聞を読んでいると、競馬欄が目に入った。
中山のニューイヤーステークスだ。
この時期の中山は荒れているので、いつにも増して内枠の先行馬有利。
オレには出走馬に関係なく買う馬券がある。
4-5-3、4-5-1、1-4-5、4-5-6の組み合わせだ。
何故これを買うのか。
それは「夢でその場面を観たから」と言う理由だ。
馬番だったり、枠番だったりするが、ピンと閃いた時にはその組み合わせで買う。
もちろん、枠番の時には前の2つだけだから、4-5が3で1-4が1の比率になる。

ネットでパラパラっと買うと、口座がほとんど空。
「ま、ずっと不調だったからなあ」
コーヒーを淹れて、PCに座ると、競馬欄に馬場が「やや重」の見込みと書いてある。
もう一度見直すと、重不良適性がはっきりくっきり。
この時、頭の中で「ダーン」と直感が閃いた。

「重得意のヤツにやられるんじゃね?」
調べ直すと、「重」の勝利数ではコスモゾーンパークという馬がトップ。適性では次がアーデントという馬あたり。
じゃあ、この15-11から買っとくか。
口座に金は無いので、ペイジーで入れ直した。
「三連複・単は両方とも総流しだな」と考え、先に単の総流しを入れた。
複のオッズを見ると、それほど高配当ではないので、総流しには意味が無い。
ここで半分に減らす。
結果を見ると、15が楽勝で、2着か3着に11番。写真判定だ。
「だいたい当たりだよな」
ビックリするような馬券ではないので、喜びもせずじっと待つ。
「2着に来てれば総流しなんだし、3着でも複がある」
判定は15-1-11。
念のため確かめて見ると、なんと2着が抜け目だった。
さすがにがっくりする。

「かれこれ1年はこんな感じだよな。もう大人しくしてよう」
タネ銭もほとんど空だしな。

日曜になり、また何の気なしにニュースを見てしまう。
やはり根っから好きだけに競馬欄にも目を向けてしまった。
「ま、見るだけだよな」

(続く)