日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎魂が宿る

◎魂が宿る

 洗濯機の「水漏れ」が酷くなり、いよいよ買い替えることになった。

 新しい洗濯機を注文したが、到着がほぼ一週後になった。

 すると、注文した日から、古い洗濯機の「水漏れ」がピタッと止んだ。

 「自分が捨てられると気付いたのかも」と家人。

 「牛飼農家で牛を出荷する日の朝になると、当の牛は直感で何かに気付き、延々と泣き叫ぶ。まるで自分が殺されると悟ったようにだ。それと同じで、十年も使った洗濯機なら、魂が宿るかもしれん」

 

 ひとが愛着を持って使う家具や機器には「魂が宿る」という。

 今日、古い洗濯機は業者に引き取られ、当家を去って行った。

 家人曰く、「あの洗濯機は故障個所が水漏れだけだから、おそらく業者さんがパイプを修理して再販売する。たぶん、フィリピンとかの外国だよ。それなら大切に使って貰えるから、酷使されて来た今までより、きっと幸せになれる」。

 思わず「そうかもな。でも玄関を出る時には、さぞ泣いていたことだろうて」と答えた。

 何時の間にか、「家族」の扱いになっていたわけだ。

 なるほど。これじゃあ、「魂も宿る」というものだ。

 

 今年、たぶん三十万キロに到達する当家の車などは、完全に「家族扱い」になっている。

 カーナビの「オバサン」は機嫌が良い時と悪い時の落差が著しい。悪い時には一言も言わないし、案内もしない。

 そこで、ここぞという時には「よろしくお願いします。機嫌を直して案内してください」と頼むことにしている。

 今年、車の電装を全部取り替えたので、二年後の車検までは乗ると思う。

 ちなみに、修理代だけでもっといい中古車が買える。

 だが、長く使ったものには愛着が湧くから、そうそう簡単には捨てられない。