トシを取ったら、舌が保守化し、生まれ育った田舎のものを好むようになった。
小学生の頃は、お茶箱に入った南部せんべい(ゴマ)がおやつだったのだが、当時は嫌だった。
実家は小売商店だったが、家の者のおやつは大体が残り物だ。
これはせんべいを作る途中で生じる割れ・欠け品をお茶箱一杯にいれた「訳あり商品」で、ビニール袋に入れて安価に売ると、「農作業の一服用」にとよく売れた。
店の裏に沢山あり、常時口にしていたから飽きていたというわけだが、今は南部せんべいのゴマが一番美味しいと思う。
で、その南部せんべいを見ていて考えた。
「これは素材が米で、しかも質のよいものを使っている。たぶん、二枚も食べると朝食分くらいのエネルギーになる」
もしかしてダイエット食品になるんじゃね?
ゴマではなく大豆なら完全食品だから、栄養素が揃う。
だが、せんべいに大豆をどう組み入れるのか。
ひとつのアイデアは納豆だ。
米粉を型に入れる時に、乾草納豆をパラパラと振りかける。
要は「納豆せんべい」ということ。
これに醤油を塗って軽くあぶり、海苔を巻けば、二枚で一食分のダイエット食が出来上がる。
ま、一枚にして、もう一枚はシラスを載せた「シラス煎餅」ってのはどうだ。
焼き立ての南部せんべいは、作り置きのとは違い香ばしい。
硬過ぎぬから食べやすい。
首都圏の駅前のひと坪店で売りたいが、やはり半年持たずに潰れそうだ。
常時、南部せんべいを口にする食文化がこちらには無い。
ミートソース系の具を使い、せんべい汁用の南部せんべいで挟む「タコスせんべい」もアリだと思ったが、これは何のことはなく「タコスを食べる」ことで話がつく(笑)。
パテを挟む「ハンバーグせんべい」も同じ。ハンバーガーを食え。