日刊早坂ノボル新聞

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◎「黒いひと」

◎「黒いひと」

 「黒いひと」の存在に気付いたのは、割と最近で、平成三十年のことだった。

 掲示の画像で言えば二枚目がそれで、この時、私は「トラの神社」の神殿でガラス窓を撮影していた。内門付近に立ち、ガラス窓まで二十㍍の距離からクローズアップ撮影をしたのだが、私の前方に半透明の黒い人影が立っていた。「人影」と言うより、「こけし型のシルエット」と言った方が現実に近い。

 これを契機に、よく景色を観察するようになったのだが、「黒いひと」はあちこちに出ている。

 冒頭一枚目の画像は、撮影当時には気付かなかったのだが、霧の中右手にスカートを穿いた黒い女の影が立っている。

 ちなみに、この時は快晴の夜に、サービスエリアで撮影したのだが、霧など出ていなかった。息子を撮影した画像には霧も煙も写ってはおらず、私の画像にだけ霧が出ていた。

 他にも、掲示の通り、様々な局面で黒い人影が姿を見せている。少し変形して、それとは分かりにくいケースもあるが、概ね単調な黒いシルエットとなっている。

 

 この「黒いひと」が一体何のためにいるのかがよく分からない。

 幽霊は感情だけの存在で、それこそ「情念で成り立っている」と言えるが、この「黒いひと」には感情が感じられない。無味乾燥と言う言葉がぴったりの存在だ。

 どういう理由化は分からぬが、人間の傍に姿を現す。

 画像では黒い影として見えるが、肉眼では「うっすらとした灰色のもや」のように見える。あるいは景色の微妙な歪みだ。時々、「まるで映画のプレデターのよう」と表現するが、ちょうどあんな風に「半透明のかすかな歪み」のようにしか見えない。

 

 「黒いひと」は幽霊と同じで、「空気が乾燥し、気温が低い」環境の時が見え易くなる。このため、どちらかと言えば、夏よりも冬の方が発見しやすい。

 これからの季節では、夕方の薄暗がりの中、道端にじっと立っている「黒いひと」を見る機会が多くなる。

 つい数日前にも見たので、これを思い出し、今回画像を再掲することにした。