日刊早坂ノボル新聞

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◎幽霊との第二種接近遭遇

幽霊との第二種接近遭遇

 今日、病棟の枕元に「お供えの水」をきっちり配置していたら、師長に見られてしまった。

 「まだ終わっていないのですか?」

 「また戻って来やがった」

 そこで、この数日、家で起きていることを話した。

 

 私は夜中に活動している。

 家族が寝静まった夜十二時頃から朝方までがあれこれと用事をこなす時間だ。

 「今は、夜中の二時頃に一階のトイレに行こうとすると、階段の踊り場のところで必ず照明が消える」

 これがもう五日くらい続いている。

 電球が切れたわけではなく、家人や息子が上り下りする分には何ともない。だが、夜中に私が階段を使おうとすると、ふっと灯りが消える。

 

 「こういうのは、『私はここにいます』というメッセージだったりするから、気を付ける必要があるんだよ」

 とりわけ、体調不良と関係がある場合があるから、注意深く観察することが肝要だ。

 

 (ちなみに、つい先ほども一階から上がって来たのだが、やはりちょうど真ん中で灯りが消えた。そこで、「こういうのはやめてくれよ」と口に出したら、パッと点いた。)

 

 「今はバーサンだと思うが、この世への未練があるらしくて、なかなか去ってくれない。幽霊になったばかりで半分しか幽霊になっていないから、ご供養がうまく伝わらないのかもしれん」

 

 幽霊との接近の程度を『未知との遭遇』の「接近遭遇」にならえるとこんな感じ。

「幽霊との接近遭遇」は次の三段階だ。(あくまでアナロジーなので、念のため。)

 

(1)第一種接近遭遇 :約十五㍍以内の至近距離から目撃したり声を聞いたりすること。また、画像に割と鮮明に映る。

(2)第二種接近遭遇 :物理的な働きかけがあること。例えば、鍵のかかっていない扉が開かなくなる。外的要因が無いのに、ペットボトルや瓶が倒れる。食器棚の皿が棚からこぼれ落ちる。

(3)第三種接近遭遇 :幽霊に直接対面する。

 最初の段階のうちに、早く手を打てば(ご供養等)、ほぼ何事も起きない。物理的な異変が起き始めると、そこからは加速度的に進む。

 

 二番目までは割と時々起こるようで、私は「カーナビが延々と誤作動」し、「目的地とは全く逆方向の山の中に連れて行かれた」ことがある。

 「運転している時なんかは、驚いたり怖がったりすると、運転を誤ることがあるから危険だ。だから、普段から幽霊を見ても驚かぬように訓練する必要があるんだよ。冷静に車を安全な場所に停めてから対処することだ」

 「車に乗っている時って?」

 「後部座席に乗られたことがある」

 師長は「ひゃああ」と肩をすくめた。

 

 「慎重に車を道の端に寄せて、『危険なので車から出て下さい』と言えばいいんだよ。実際、俺は車を停めて窓を開け、そう頼んだ」

 「いつからそんなことが起きるようになったのですか?」

 「昔から。そもそも俺には集まりやすいようだ」

 ま、一度は心停止しているから、既に半分は仲間だ。

 すると、師長はこう続けた。

 「それじゃあ、私は※※さん(私)の名前を書いたお札を下げることにします。『お願いだから、この人のところに行って』と言うのが一番効きそうで」(笑)

 別の者に「下駄を預ける」というヤツだ。

 だが、当人(私)が、「それも案外アリかもしれん」と思った。

 どっちに寄り付くかと訊けば、たぶん、私の方だ。

 「見てくれて、聞いてくれて、お焼香をしたりお供えをしてくれるんだから、ま、俺の方に乗り換えるだろうな」

 迷惑な話だ。

 

 さて、幽界も幽霊も特に恐ろしいものではないが、対応には気を付ける必要がある。

 無暗に恐れず、常に敬意を払うこと。

 普通は何も起きないが、私は話が別だと思う。今はしくじらないようにしなくては。

 

 付記)書いている端から文章が崩れたり、二重に出たりしていたから、「世間の人には事実が必要なので許して下さい」と言うと、少しましになった。先方にとってあまり嬉しくことではないらしい。