日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎書く方が百倍楽しい

◎書く方が百倍楽しい
 人生の宿題をある程度納めてしまえば、死に間際の心残りが減る。
 眼が悪く文字がよく見えぬので、原稿を直したり、校正したりするのは甚だ苦痛だが、何もしないでいると心が腐る。
 そこでまず「自分の好きな作品群」から手を付けようと、『獄門峠』をやり直すことにした。
 この話は、鹿角の「大湯四郎左衛門の大猿退治」を素材にしたもので、盗賊の赤虎シリーズの1篇だ。

 「島の女」から五年が経ち、赤虎は四十台半ばになっている。
 鹿角の湯の谷を訪れるべく、ある旅籠を訪れると、そこで大湯四郎左衛門一行に出会う。四郎左衛門は「猿の三蔵」という人さらい一味の仲間だと誤認して赤虎を捕縛しようとする。
 誤解は解けたが、赤虎は大湯四郎左衛門の「捕縛に加わってくれ」という申し出を断る。しかし、しがらみにより、図らずも野猿峠の悪人の巣窟に乗り込んでいくことになる。

 『島の女』からは利江が再登場する。
 「猿の三蔵」は『無情の雨』で怖谷の目前で赤虎が倒した悪人だ。
 赤虎シリーズは、折々での赤虎の人生を語るものなので、総てが相互に関わっている。

 作品を収める相手が見つからず、お蔵入りになっていた作品だが、なるべく加筆して、ウェブで公開することにした。
 もはや余生で、書籍化の時間とエネルギーはない。
 腹をくくったということだ。

 だが、これが楽しい。
 赤虎のキャラが楽しいこともあるが、赤虎が勝手に自己主張をして動いてくれるので助かる。
 四か月の間、ほとんど寝たきりで、PCの前にも座れなかったのだが、今は二十分くらいなら座れる。これを日に三回くらいならどうにかなりそうなので、可能な限り努力するkとにした。

 つくづく思うが、物語は小説や映画で読んだり観たりするよりも、自分で書いたほうが百倍楽しいと思う。
 ストーリーを最も味わっているのは書き手自身だ。

 なお、最後の作品になるかもしれんので、心残りのキャラに顔を出して貰うことにした。
 今日、「田無権平衛」の登場場面を加筆した。
 田無権平衛は、隠居した後の玉山大和の仮の名前だ。
 途中では「権平衛」としか出て来ず、ストーリーへの関与も小さいが、最後の場面で、水戸黄門ばりに、それが玉山大和だと悟った侍たち全員が片膝を立てて礼を示す。
 玉山大和は、戦国奥州のシンドバッドで、冒険談が尽きない。
 私にとっては郷土の英雄だ。

 『獄門峠』