◎病棟日誌R090913「俺の方が」
ロビーに行くと、Aさんが座っていた。
「駐車場が塞がっていたでしょ。ごめんね」
当方は足が悪いので、最近は玄関の直前の障碍者用スペースに入れている。よって1番だ。
土曜は混んでいたのか、車が沢山来ていたらしい。
Aさんも障害者用スペースに入れるが、この日はそこしか空いていなかった。
「別に大丈夫ですよ。どこでも」
ゆっくりだが、歩いて来ればよいわけで。
ま、坂は上れないから平地であれば、だが。
Aさんは、大動脈から腕のまで人工血管が入っている。
カートを押して歩く障害老人だ。実年齢は58歳くらいだが。
エレベーターに乗り、ドアが閉まると、溜息が出た。
「あの状態の人に気を使って貰うほど、俺もヨレヨレだということか」
確かに、ヨチヨチと歩いている。
パンツやズボンを穿くのに、片足で体を支えられない。
エレーがっかりしたわ。