毎日、目覚めた時には、必ず最後に見た夢を憶えています。
ところが、夢の大半はおどろおどろしい内容なので、文字に落とすのはしんどいです(気が滅入る)。
これは、先ほどテレビの前でうたた寝をした時に見た短い夢です。
家人と2人で、G県までドライブに行きました。
あれこれ見物して、温泉に入り、何かご当地の食べ物を食べて帰ってくるという、日帰りスケジュールです。
たまたまある山の麓を通り掛かったら、赤い幟が立っていました。
どうやら、神社があるようです。
「ちょっとお参りして行くか」
家人は助手席で居眠りをしていましたので、駐車場に車を入れます。
エンジンが止まると、家人も目を覚ましました。
「ここ、どこ?」
「なんか、神社があるから寄ってみた。山の上みたいだし、見晴らしが良いかも」
ドアを開け、2人で外に出ます。
駐車場の奥に、石段と鳥居が見えています。
鳥居の辺りからは、赤い幟が沢山立っています。
十歩くらい歩いたところで、2人とも急に立ち止まります。
隣の家人の顔を見ると、家人もダンナのほうを見ていました。
「お父さん」
「うん?」
家人の眉間に皺が寄っています。
「お父さん。ここはダメだよ」
どうやら家人は私と同じ感覚を得たようです。
「ここは、私が入ったらダメな場所だよ」
「そうか。お前もそう思うのか」
私のほうも、なんとなく、この場所に自分が拒否されているような気がしています。
「上るも何も、ここから前には進めない」
「入ったら、2度と帰って来られないような気がするな」
夫婦の意見が一致したので、また車に戻ります。
駐車場から車を出し、前の道に戻りました。
「時々あるよな。来てはいけない所って。これは一体どういうわけなんだろ」
私の呟きに、家人が首を横に振ります。
「理由を知る必要はないよ。入ってはならないところだから、入らなければそれでいい」
「そう言えば、お前は〇〇県でエライ目に遭ったんだよな」
その海岸の町では、家人は本当に恐ろしい経験をしたのでした。
「その話はしたくないよ。早くここを離れましょう」
「そうだな」
私はここでアクセルをぎゅうっと踏みしめます。
ここで覚醒。
かつて実際にあった出来事をそのままなぞる夢でした。
要するに、記憶を整理しようとする夢です。
「ここは入ってはダメな場所」は、ここだけでなく、時々通りかかります。
その都度、夫婦で「ここは止めよう」という意見が一致するので、感覚的に似ている部分が多いのだろうと思います。