日刊早坂ノボル新聞

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◎東京新聞も話のすり替え 「韓国をホワイト国(グループA)に戻せ」だってさ

東京新聞も話のすり替え 「韓国をホワイト国(グループA)に戻せ」だってさ

 ちょっと長いのですが、以下は東京新聞八月二十一日付の社説です。

 

<社説>週のはじめに考える 半導体は平和に通ず

「やはりわが国に対する報復だったのですか」。二〇二〇年末、日本に駐在する韓国の外交官から受けた質問です。

 その前年夏、日本政府は貿易管理上の優遇措置を与える「ホワイト国」のリストから韓国を外し、半導体製造に欠かせない三品目の対韓輸出審査を厳しくしました。元徴用工問題をめぐり韓国との対立が激化する中での決定です。

 政府は対抗措置ではないとの立場を示したが何らかの報復と受け止められても仕方のないタイミングでした。だから質問には「メンツをつぶすという形での報復ではないか」と答えました。

 三品目のうち半導体の製造過程で感光剤として使うフォトレジストは、日本が世界市場で大きいシェアを占める製品です。

 台湾に水をあけられたはずの半導体生産で、一部材料とはいえ日本は依然、重要な地位を保っている格好です。

 

完成品は知恵の結晶体

 当時、政府の決定を「大人げないな」と思いつつ、「わが国の製造業もまだまだ捨てたものじゃない」「立派な外交カードを持っているじゃないか」と妙に感心したことを覚えています。

 ところが、その感想は間違いであることを知ります。確かに日本企業が優位な分野は存在します。しかし、それは膨大な半導体製造工程のほんの一部にすぎないのです。とても外交カードとして使えるレベルではありません。

 半導体の製造工程と供給網は世界中に張り巡らされています。原材料や加工に使う化学物質類、製造装置などの生産に各国の膨大な数の企業が関わっています。

 日本のほか台湾や韓国、中国、米国、ウクライナ、ロシア、フランス、ルクセンブルクなど多くの国・地域に、重要な役割を担う半導体関連企業が存在します。各企業は半導体生産に欠かせない装置や化学物質、原材料を供給しています。簡単には代替が利かない品目ばかりです。工場で出荷される完成品は各国企業の技術の粋が詰まった知恵の結晶体なのです。

 米国のバイデン大統領は今月、米国での半導体生産の強化に向け五百二十七億ドル(約七兆一千億円)を拠出する法案に署名しました。日本も米国の後を追うように生産強化に乗り出しています。先の通常国会で成立した経済安全保障推進法をテコに半導体生産に巨額投資を行う方針です。

 でも日米の政策が半導体の自国のみでの生産強化を目的とするなら、「それは幻にすぎない」と指摘せざるを得ません。製造工程で使う無数の品目の一つでも質が低ければ市場での競争力は大きく落ちる。安定した供給網を維持しつつ優れた品目をすべて一国でまかなうのはどだい無理な話です。

 米中経済摩擦に端を発した半導体不足は、コロナ禍後をにらんだ急激な需要増で拍車がかかりました。ロシアによるウクライナ侵攻で原材料供給が不安定化したことも打撃を与えています。

 約四年前、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、トヨタ自動車との業務提携をめぐる記者会見で「自動車は半導体のかたまりになる」と言い切りました。孫氏の予測通り「車の半導体化」は一層進んでいます。

 

経済の絆を断たない

 半導体が必要なのは自動車だけではありません。家電製品や産業用機械など切りがありません。半導体がなければ暮らしの質は一気に五十年以上前に戻るでしょう。

 忘れてならないのは半導体こそが国際協力の申し子だという動かぬ事実です。

 半導体生産にはフッ化水素という化合物が欠かせません。日本が高い精製技術を持っている分野です。ただ精製には蛍石という鉱物が必要です。蛍石の大半は中国産です。日中の対立が深まり中国が蛍石の輸出を止めればどうなるでしょう。日本企業は何年もかけて代替措置を探るはめになります。中国は蛍石の主要な売り先を失うことになります。

 双方が損をするくらいなら、嫌な相手でも付き合うのが得策です。半導体は「争いより助け合いがお互いの利益になる」という貿易の基本原則を教えてくれます。

 政治体制の異なる日中関係には「政冷経熱」という考え方があります。政治的にけんかしても経済関係の絆は断たないという知恵です。半導体を触媒とした多国間の「政冷経熱」が対立を融和に向かわせ、平和へ通じる道を開くと信じています。 

 引用ここまで

 

 さて、最初の段階から、話をすり替えてますね。

 フォトレジスト等の先端素材に関連し、用途を明確にするという輸出管理の手続きを課しているのは、西欧自由主義陣営は「ほとんどすべての国」です。

 「ほとんど」と言うのは「全部の国を調べてはいられぬ」からで、「先端素材を作れる国」に限定すれば、米国、西欧、カナダくらいなので、事実上、「総ての国」と同義です。

 日本だけが、韓国に対し「明細なし」の輸出を許して来たわけですが、過去と比べれば「厳格化」でも、西側諸国と比較すると、「同程度」になります。

 ちなみに、ここでは食料など多岐にわたる他の製品を含まずに、「フォトレジスト等の先端素材だけ」に関する輸出管理を指します。 

 どの国も野放図に先端素材を売り渡してはいないのです。

 輸出企業が書類を提出し、使途を明確にし、その通りに実行すれば、輸出は可能だし、実際に従前と同程度の量を韓国は買っています。一部は「ドイツ、ベルギーに購入先を切り替えた」等の報道がなされたのですが、そこでも同じ手続きが必要になります。

 

 要するに「輸出規制」どころか「輸出管理の厳格化」でもなく、普通の輸出手続きになります。

 韓国が「不当性」を訴えるのは、事実上、日本に対してだけ。

 それは日本が過去に不当に甘やかして来たことを背景にしているわけです。

 実際、サムスンが使途不明にした素材の行方は、今に至るまで明らかにされていません。

 書類手続きをすれば買えるのに、「使途明細なし」にこだわるのは、「知られては不味い相手に渡すから」という理由以外にはありません。

 冒頭から虚偽が並んでいるような記事を「社説」として出す新聞社は、今後は「作文社」と自称するのがよいでしょう。

 

 「半導体が平和に通じる」のであれば、公明正大に書類を出して買えばいいだけの話。日本はそもそも禁輸や輸出規制など一切していません。

 なお、「韓国に対し(日本だけ)緩めろ」という記事を書いたのは、朝日、毎日に続き東京新聞が三社目になります。

 

以下は個人的感想になります。

 私は「ああ、やっぱりね。左巻系は皆嘘つきなんだな」と思ってしまいました。前提からして事実と違います。

 ポイントは、動態では「厳格化」に見えても、横を見れば、「皆同じ取り扱いをしている」ということです。韓国の「買います」に対し「ほい」と渡している生産国は一か国もありません。

 先端素材について、韓国をホワイト国(Aグループ)に戻すなら、半導体など「兵器製造に繋がる製品・素材を垂れ流し的に渡す」ことになります。北に渡れば、北は日本や米国に打つためのミサイルを作るでしょう。

 記事中の「経済の絆を断たない」以後は、まともに本筋から脱線しており、話を根本的にすり替えている。「書類を出し、使途を明確にすれば買える」わけなのに、まるで日本が不当に禁輸にしたかのよう。

 「蛍石」の話は思わず失笑してしまった。それは原料であり鉱物の話。先端素材は工業製品です。

 この記事はまるで韓国のメディアの書く作文みたいな絵空事でした。

 

訂正)一部訂正。「左巻は嘘つき」のところは、「かなりの噓つきの私よりも、左巻はさらに嘘つき」という表現が正しい表記です。

眼疾があり、校正が出来ぬので、誤変換がそのままになっている箇所があります。