◎エレベーター事件のその後(3)
病院のエレベーターが気まぐれな動き方をする件の後日談になる。
前回から三日経ち、病棟を出る時に一人でエレベーターに乗った。
「閉」。→反応なし。
「閉」。→反応なし。
「閉」。「先週、俺は確かに『一人でいる時にやってくれ』と言った。どうもすいませんでした。分かりましたから、もう閉めてください」→反応なし。
「閉」。→「ドアが閉まります」。しかしドアの反応なし。
「閉」「閉」「閉」(連打)→「ドアが閉まります」を3回。
そこで、仕方なく、こう言ってみた。
「何か伝えたいことがあったら、替わりに当方が伝えます。だから下ろしてください」
その瞬間、ドアが閉まった。
まだ機械の不調を疑っているところがあったのだが、最後のタイミングが「はい。聞きましたよ」って感じだった。
やはり機械の点検をしても何も出ず、そのままなそうだ。
ガードマン一人、看護師二人、患者が当方ともう一人で、この五人しか体験していないようだ。
嘘のような話だが、実際に起きている。
エレベーターなら「機械の不調」という言い訳があるから、まだ平気だが、絶対にアリエネー時は解釈に困る。例えばこう。
ホテルのトイレのドアが開かなくなる。
家の玄関のドアを開錠しているのに、開かない。
いずれも、「何かが引っ掛かっている」感触ではなく、コンクリートの壁にドアノブが付いているようで、ぴくりともしない。
いずれも、私一人の時ではなく、同行者が同じことを体験している。
この手のに比べると、自動ドアやエレベーターには、まだ逃げ道がある。
電気製品(テレビやエアコン)が勝手に点滅するのは、ごく普通に起きるから、まったく驚かなくなった。こちらも、リモコン不調などの言い逃れが出来る。
実際に、「機械の不調」と厳密な区分をするのは難しいと思う。