日刊早坂ノボル新聞

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◎病棟日誌R070306「感染症蔓延」

病棟日誌R070306感染症蔓延」
 家人から「小学校でコロナが流行っている」話を聞いていたが、病院でも相当数の感染者が出ているらしい。
 コロナ感染者とノロ感染者が何人かずついて、隔離病室が間に合わず、ベッドをビニールで仕切って、患者を分離している。
 個室がノロ患者で、奥がコロナコーナーだ。
 看護師も数名が感染して休んでいるから、ほぼ院内感染だ。
 従前と違い、ニュースにはならなくなったが、持病のある者には影響が大きいから、やはり覚悟が必要らしい。腎不全患者は致死率が高い人種だから、幾らかピリピリしている。
 人手が足りぬので、最近は現場に出ることの少ない師長なんかもベッド脇で働いている。

 一時的に患者のベッドの位置が変わったので、現状を見渡すことが出来たが、古株の患者は初期の4人の他には、アラ40女子と当方の隣のジーサンだけになった。
 昨年の年頭とはがらっと顔触れが代わったが、「ちょんまげ小父さん」のように「ある日突然去ってゆく」。
 180㌢くらいの建設関係の人がいたのだが、見た目は元気そうだったのに、この日はそのベッドにガラモンさん(コロナ感染中)が隔離されて寝ていた。「空きベッドになっていた」という意味だ。
 現実は偉く厳しい。
 ま、良かれ悪しかれ三月で、この月は学校でも病院でも「お別れの月」だ。

 ベッドの大移動があったおかげで、トダさんやアラ40女子と少し話が出来た。
 トダさんは腎不全になったショックで食事が摂れなくなっていたが、今は気を取り直して顔色が良くなった。
 最初は落胆から体調を崩す人が多いし、失意のまま自死する人もいる。
 落胆も自死も必要なく、どうあがいても余命は僅かなのだから、一日一日を味わって過ごすべきだと思う。
 改めて思うが、人工透析の費用はすごく高そうに見えるが、余命自体が短いから、「死ぬまでの医療費」は癌患者より少ないと思う。抗がん剤は概ね1本百万だ。また、癌で死なずに齢を取れば、皆が最後は心肺症状か腎不全になる。
 こういうのは若い者や健康な者には見えない話だ。

 日々が苦痛と同居する暮らしだから、時々、「そろそろ解放されたい」とも思う。
 七八年前までに心臓を5度治療したが、術後の経過が思わしくなく、平地を30㍍あるくのが困難な時期があった。
 心房細動が頻繁に起きるので、何時止まっても不思議ではないので、人生の終盤を穏やかに過ごすべくお寺や神社に通うようになった。その過程で神社猫のトラに会ったが、以後はその猫に会うために1年に百五十回(日)ずつその神社に通った。
 気が付いた時には、平地なら無難に、また階段もそれなりに上がれるようになっていた。
 だが、心臓の治療の代償が腎不全だ。
 最近、強く思うが、「もう新しいことは出来ない」。
 宿題の幾つかをやれるところまでやる程度だと思う。

 ま、生死の境界線に何があるかを報告することくらいは出来ると思う。息子は頻繁に悪夢を観るが、どうやら父親と同じ道を歩み始めているから、そろそろ伝えて置くべき時期が来たようだ。