◎謝れない人
アベノ給付金の「30万」が「世帯主の収入の激減」ではなく、「収入の激減」になるようだ。すなわち、世帯主だけでなく夫婦どちらかの収入が減っても、支給対象になるらしい。
でも、それだと、対象が一気に広がる。
おそらく、奥さんがパートをしている家庭では、「とりあえず今月か来月は仕事を休め」みたいな話になる。
「2月から6月の間に、ひと月でも収入が下がっていれば」という条件があるからだ。
パートの平均給与は十数万だから、休んで30万貰う方が良くなるし、感染リスクを冒して職場に行かなくともとりあえず良くなる。
(実は、その効果でもよいのだが。)
4割前後が対象になる可能性があるとなると、「30万」という金額が引っ掛かる。
おいおい。大丈夫なのか。
この辺、「すいませんが、対象を大幅に拡大しますので」と断り、金額を20万とか15万に下げれば良いのでは。
金額を半分または3分の1にすれば、高額所得世帯1、2割を対象から外した全世帯に配れる。
もしくは、一番文句が出ないのは、「国民一人当たり」方式だ。いちいち、条件に適うかどうかを査定する必要がない。
でもま、一度、「世帯あたり30万」と安倍総理お得意の「大見栄」を切った以上、そこを訂正したりはしないと思う。
総理のスピーチの時だって、「世帯当たり30万円」とだけ言っていた。あれは世界中が「ずいぶん大盤振る舞いだな」と思った筈だし、実際、ネットには外国人の羨ましそうなコメントが溢れていた。
実態はもちろん、違う。事細かな条件があり、国民全部に配るわけではない。当初の案では2割だけ。
でも口では「一世帯当たり」とだけ言う。
「良い家の子」や「勉強のできる人」の最大の欠点は、頭を下げ謝ることが出来ないところだ。「オレが」「オレは」という意識で人生を成り立たせているから、「いやオレのミスです。すいませんでした」と言えない。
自分より他人の方が「出来る」かもしれないと感じると、必死でそれを否定しにかかる。よさげなものを目にしたら、「スゴイね。よくやってるね」と褒めればいいのに、自意識が邪魔をして、それが出来ない。
それじゃあ、「良い家の子」で「勉強が出来て」も、生き方自体が「見すぼらしい」と思う。
頭など幾ら下げても、懐は痛まない。
「オレの判断ミスでした。ここを直します」と訂正すれば、各方面が丸く収まる。
これまでもずっとそうだった。森友だって、加計だって、「多少、私にも至らぬところがあったかも知れません」と頭を下げれば、それで終わりになる面が多かった。
ところがそこで居直って、「もしそうなら辞めます」みたいなことを言う。
正直、腹の底から「愚かしい」と思う。
前回の案で不評が立ったので、また必死で取り繕うとしたのだろうけど、鉈を振るうのではなく彫刻刀で削っているから、どんどんおかしくなっていく。
さて、優秀な人のもうひとつ欠点は、すっぱり見切って「切り捨てる」ことが出来ないところだ。「瓶の中の飴を取ろうとする猿」(たとえ話)のように、如何に効率的に抜き取るかのみに気を取られる。
五輪を睨んで、中国人の流入を止められない。
あっちも欲しいし、こっちも捨てられない。
それまでの人生で、何事も諦めなくとも良かったからだ。
親が病気だから、あるいは離婚したから進学できない。そんな悔しさを経験したことが、たった一度も無い。
だから、「物分かりがよく」て、「底が浅い」。
ちなみに、飴を取り出すには、「少しずつ抜き出でばいい」というのが、一般的な答えだが、私は「瓶を落として壊してしまえば、迅速にかつ全部を拾える」と思う。
たまにガラスで指を切るけど。
ここ2、3年の安倍政権は、典型的な「謝れない人」パターンに陥っている。謝れないから、突っ込まれれば開き直るし、見え透いた嘘で取り繕うとする。
それが「バカ役人」の忖度を招くだけでなく、自死せざるを得ない人まで生み出している。
こんな泥縄対策ばかり打って、いったいどうすんの?
結論は、家人に「とりあえず三日くらい仕事を休め。有給でなくて欠勤でいいぞ」と言うことだ(違うか)。
こういうのを回避させるために、今度は「収入が半減したことを証明する資料を出して」とかなんとか言うのだろうな。
それをいちいち読まされるのは自治体の職員だ。
今後、彼らが戦うのは、コロナではなく帳簿になる。ことお気の毒な話だ。
ついでなので、ニ三日前に驚かされたこと。
安倍政権のスポークスマンであるタザキ氏が言うには、「政府が一生懸命、PCR検査を増やすように保健所を指導しているのですが、現場が動いてくれない」。
さすがに耳を疑った。
「マジかあ」
あからさまな虚偽だ。
保健所を通させているのは、コーロー省自身だよ。
隣国政府なみの嘘だな。
そんなのは、検査する・しないの判断を医師に任せ、医師が保健所に事後報告すればそれで済む。
今後は、忖度官僚や御用(誤用)メディアのことを「宦官」と呼ぶことにした。
サガ〇氏がやっていたことなどは、チン〇のある者の振る舞いとは思えない。
ひと言の反省すら言葉にしていないことに逆に驚く。