日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

入国管理事務所にて

家人は外国籍ですが、昨年から法律が変わったので、新しい在留カードへの切り替えが必要です。
このため、昨日、夫婦で入国管理事務所を訪れました。

バブルの頃とは違い、今は日本に長期滞在する外国人がかなり減ったので、事務所の中は閑散としています。
この日、受付開始時刻に並んでいたのは、せいぜい15人でした。

査証申請ではなく、カードの切り替えだけですので、所要時間は15分です。
家人がカードを貰い、ダンナのところに戻ろうとすると、別の外国人から声を掛けられたそうです。
以下は、その時の会話の概要です。

「役人に叱られた。私はどうすればいいのでしょう」
その人は中国人の女性で、家人と同じようにカードの切り替えに来たが、「ダメだ」と断られた模様です。
「前に並んでいたあなたはすぐに出してもらえたのに、どうして私だけがダメなのでしょう。ちょっと書類を見せてもらえませんか」
家人は自宅で申請書を予備と併せて2通書き、1通を提出したので、控えの方を持っていました。

「別にどこも違いはないのに。どうして私だけ?」
これを聞いた家人が、その女性の持っている書類を見せてもらうと、外国人登録証の有効期限が一昨年で切れていました。永住ビザを取得しているので、単純にカードを切り替えて置くだけなのですが、永住許可を貰っていたことで、気を抜いていたようです。
これはまあ、「すいません」くらいで済みます。
しかし、家人が「パスポート持って来ましたか?」と尋ねると、「忘れてきた」とのこと。

それじゃあ、日本の役所では手続き出来ません。
「パスポートがないと更新できないから、自宅に帰って持ってきてください」と言われたのを、「叱られた」と思ったようです。

「日本人はひどい。中国人を差別している」
さすがに、それには家人もあきれてしまいました。
外国籍の者が日本で暮らすには、実際多くの障害があります。
日本人なら保証されている権利が、外国籍であることで受けられないということが多々あるのです。
しかし、この場合は、単に書類が足りなかっただけですね。
「家に帰って、パスポートを持って、もう一度来れば良いのですよ」
「明日、就職の面接に持って行く必要があるので、今日中に貰えなければ困ってしまいます」
「なら、つべこべ言わずに、すぐに帰ってください」
その女性の自宅はそれほど遠くないので、1時間もあれば戻ってこられます。

その女性は、帰り際に何度も「叱られた」「差別だ」を繰り返していたようです。
家人はそこで、何となく「お国柄」「国民性」を感じたとの話でした。

面白いのは、列に並んでいた時、その女性は、前に同じ年頃の女の人がいたのにもかかわらず、1人跳び越して家人に話しかけてきたという話です。
「わざわざ、どうして私に?」という話になると、その女性は「だって、前の人は韓国人だもの」と答えたとのこと。
要するに「嫌いだ」ということです。

近隣の人皆とうまく付き合っていくのは、やはり難しいことのようです。