◎今日の四文字熟語は「大▢▢動」
例によってのエレベーターのモニターに映し出されるクイズの話。
この日の帰路はこの問題。
「大▢▢動」
思わず声に出して文句を言う。
「おい。また俺に対する悪口かよ]
だが、少し違うよな、そもそも当方は小物だから大山ではない。小物が何かをして出て来るのが鼠一匹なら、かなり上出来の方だ。
まずは書き換えから。
「大嘘発動」:こりゃ隣国の話だな。大統領から政府、メディア、一般国民まで口を開けば嘘ばかり。
当方がどんなに嘘つきでも、こいつらよりはまし。
「大権発動」:「強権発動」と似ているが、権利を行使する主体が天皇の場合、「大権」になる。「大権」は天皇陛下のためにある用語だ。
「大物始動」:怪我で休んでいた大谷選手が「この度練習を開始しました」、みたいな。
「大衆行動」:これはバッチシ。
まだまだありそう。
最初の問題の答えはもちろん、「大山鳴動」。
「大山鳴動して鼠一匹」を略した言い回しだ。
では、「どの中国の故事から来ているのか」と思ってしまうのだが、これは古代ローマの詩人「クィントゥス・ホラティウス・フラックス(Quintus Horatius Flanccus)」が述べた詩の一節ということだ。由来となる原文は「Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus」からで、その意味は「山々は産気づき、一匹の滑稽なハツカネズミが産まれる」というものらしい。
つい最近、隣国で起きた「大山鳴動」はこれ。
某企業が記者会見を開き、「コロナの症状改善に役立つ物質を開発しました」と報告したが、実際にはまるで証明になっていない。確からしい根拠が何一つない。
株価はその日のうちに60%上昇したが、すぐにネタが割れて、撃沈。
でも、経営陣は自身の保有株を高値で売っている(たぶん)。
これって、「鼠一匹」と言うより、明確な犯罪だ。インサイダーではなく「詐欺」。
ま、あちらではいつものこと。
詐欺師が優れている点は、「自分の吐く嘘を真実だと心底より信じ込める」ところだ。だが、幾らか心のどこかに疚しいところがあるから、それを隠すためにとにかく前に出る。
よって「やたら押し出す」「前に出る」のも詐欺師たる所以だ。
「哨戒機の低空飛行に脅威を感じました」みたいな話。
世界中が笑うレベルだ。
大山鳴動して出て来たのは「鼠」ではなく「卑劣なコウモリ」だった。