◎夢の話 第1K48夜 この世界の成り立ち
九日午前二時頃に夢を観た。
その夢には、私が「お師匠さま」と呼ぶ短髪の男が現れ、これから向かうべき「あの世」について語った。
話の内容はもはや講義と言ってよいほどで、世界の成り立ちや霊魂の循環に至るまでを詳細に説明した。
そのことを、先ほど文字に落とし始めていたが、途中でちょっとした異変が起き始めた。
まずは電話だ。回線の繋がっていない受話器が「ツツー」と通信音を立てた。
その次に、造成工事中の隣家の敷地で、ユンボ(ショベル機)から「がったーん」と音を立て、金属の板が落ちた。
偶然上から落ちることなど有り得ぬ重量なので、思わずぞっとした。近所中に響く音だ。
ここで夢の最後の部分を思い出した。
「このことは他言無用だ。どうせ話しても分からない。まずは君がよりよく理解しろ」
なるほど。書いてもダメだということか。
人気のない場所で、数十キロの鉄板が倒れる音を聞くと、不審事には慣れているつもりでも、さすがにドキッとする。
ペットボトルや本が倒れる程度なら、どこかに「たまたまかも」という意識があるから、割と平然としていられる。だが、言い訳の利かぬ不審事の場合は、答えがひとつしかない。
何者かが意図的に力を加えねば、そのことが現実に起きることはない。
目覚めて気付いたが、「お師匠さま」と話をしたら、体の調子が少し改善されていた。息苦しさで起こされず、五六時間寝たようだ。
だが、今は日中に「視界の端を稲妻のような光が横切る」ことがよくあるので、注意が必要な状況であるのは変わりない。
「得体の知れぬ光を見る」のは、死期の迫った者に現れる兆候のひとつでもある。
「語るな」と言われても、「この世界がどんな風に出来ているか」を知らされたら、思わず誰か別の者に語りたくなってしまう。暫くはイライラしそう。
さて、あと何段階か改善されれば、ようやく自由にキーを打てるようになると思う。