日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K50夜 何かを手渡される

夢の話 第1K50夜 何かを手渡される

 二十四日の午前二時半に観た短い夢です。

 

 私は二十台後半。

 街を歩いていると、十階建てのビルの前を通り掛かった。

 何気なくそこで足が止まる。

 「何だろ。何だか気になる」

 そのまま立ち止まって考えるが、何が気になるのかが分からない。

 そのビルは一階と二階が店舗で、その上からがマンションになっている。

 店舗だけに、容易に中に入れるのだが、実際に入って見ても理由が分からない。

 すぐにエレベーターの前に出る。

 「上だな」

 扉が開き、私はエレベーターの中に入った。

 ここで頭の中に女性の顔が思い浮かんだ。

 数年前に付き合っていたが、何となく別れ、その後は疎遠になった女性だ。

 「何で別れたんだっけな」

 考えるが、よく思い出せない。

 自然に付き合い始めたが、さりげなく別れた。

 「ま、性格が合わぬか、時機が悪かったのだろう」

 エレベーターが七階で停止し、乗り合わせた高齢の女性がそこで降りた。

 何となく私もその階で降りる。

 「ここで降りたところで、ここからどうすればよいかが分からない」

 自分の直感には従うことにしているのだが、意味が分からぬのでは困ってしまう。

 エレベーターの向かいに椅子があったので、とりあえずそこに座る。

 ここは通路からT字型に出たエントランス部分だ。

 目の前がエレベーターの入り口で、横五メートル先にはこの階の長廊下がある。

 すると、その廊下を人が通り過ぎた。

 若い女と幾らか年配の男の二人だった。

 「わ。あれは」

 先ほど私の頭に浮かんだ女性本人だった。

 「ここで暮らしていたのか」

 別れてから数年が経ち、その後の消息を知らなかったが、ここで彼氏かダンナと暮らしていたわけだ。

 「チン」と鈴が鳴り、エレベーターの扉が開く。

 私はすぐにそれに乗り、階下に降りた。

 「なるほど。縁があるのだな」

 いずれまた私はあの女性と付き合い、一緒に暮らすようになるかもしれぬ。

 だが、それは今ではない。暫く先の話だ。

 これは予行演習で、「あの娘がここにいる」と知らせただけ。

 「時機が来れば、この前の道で再会するかもしれん。言葉を交わすのはその時だ」

 私はビルを出て、自分の生活に戻った。

 ここで覚醒。

 

 すかさず次の夢に移る。本題はこれからだ。

 私はどこか知らぬ場所に立ち、暗闇を見詰めていた。

 周囲はまさに「全きの闇」で、何ひとつ見えぬ。

 「ザアアア」とも「ジジジジ」ともつかぬ「沈黙の音」が聞こえている。

 すると、目の前の暗闇が一本の白い腕が現れた。

 腕の主の姿は見えない。

 その「誰か」は私に向かって、「受け取れ」と言った。

 「え」。一体何のこと?

 すかさず目の前に何かが付き出され、私はそれを手に取った。

 「イケネ。ついうっかり受け取ってしまったぞ」

 私が受け取ったのは、ノート(日記帳のよう)ともタブレットともつかぬ黒い四角の物体だ。

 「一体これは何だよ」

 何となく、この中から沢山のひとの声が聞こえるような気がする。

 「何だか、重いものを受け取った気がするぞ」

 これをこの私にどうしろと言うのだろう。

 首を捻りつつ、ゆっくりと覚醒。

 

 闇の中から腕が出て、タブレットを押し付けられる。

 これが一体何を示唆しているのかが、さっぱり分からない。

 だが、とにかく「重いもの」だ。

 

追記)なるほど。私はもう死ぬ筈だったのに、ぎりぎりになり、この世滞在期限の再延長が認められた。そのツケを払う必要があるということだ。

 この世にもあの世にも、ただで得られるものはない。何かを得たら代償を払う必要がある。

 トイレ掃除だけでなく、他に何か決まったものを返す必要があるようだ。