日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

アンティーク

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品物の解説 D524-D528」

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品物の解説 D524-D528」 数日ほど時間が空いたが、整理を再開する。 これまでに記して来たとおり、絵銭は販売地・製造地が割とはっきりしており、「流動性が少ない」ことから、鋳銭技術などの特性を分析するのに役に立つ。 貨幣…

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年抽選会の日程訂正について」

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年抽選会の日程訂正について」 非常に凡ミスなのですが、新年盆回しに伴う「抽選会」について、日程に誤りがありましたので訂正させていただきます。 非本的な流れは同じです。 1)雑銭の会「新年盆回し」の一定額購入に対するポイン…

◎古貨幣迷宮事件簿 「雑銭の話」

◎古貨幣迷宮事件簿 「雑銭の話」 まず初めに「雑銭の会」の連絡事項から。 新年盆回しに多数の応募をいただき有難うございます。欲しい品がかち合っているようなので、なかなか買えなかったと思いますが、首尾よくポイントを得られた方が居られますので、予…

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品の解説」D523

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品の解説」D523 小説の素材として使用するので、これまで取り置いたが、半年後くらいから作品を出力することになった。編集に告知したので、気が変わらぬうちに前に進む。 花巻の及川屋清兵衛が所有していた上納請取で、鹿角で…

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品の解説」D512-522

◎古貨幣迷宮事件簿 「盆回し出品の解説」D512-522 既に昨日までに解説を加えてあるので、特に加筆することはない。 仙台大型七福神の意匠自体は、明治以後も採用され継続的に作成されており、写しの類は種類が多く存在する。バラエティが沢山あるのは、要す…

◎古貨幣迷宮事件簿 「南部中型七福神銭」および「七福神改造母銭」について

◎古貨幣迷宮事件簿 「南部中型七福神銭」および「七福神改造母銭」について さて、ようやくひと区切りできそうなところまで辿り着いた。 七福神銭の観察を通じて行って来たのは、言外の目的、すなわち「南部銭の仕上げ技術」「浄法寺銭の仕上げ技術」「八戸…

◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭に見る北奥への技術の伝播」

◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭に見る北奥への技術の伝播」 七福神銭は江戸期より「全国で愛好された信仰対象」だ。 貨幣と異なり、絵銭は一度買われた後はほとんど流通せず、個人の家に仕舞われるか財布の中にあった。これは寛永銭が現行貨であった時期と並…

◎古貨幣迷宮事件簿 「浄法寺絵銭の輪側処理技術」

◎古貨幣迷宮事件簿 「浄法寺絵銭の輪側処理技術」 貨幣は「人の手」によって作られたものだ。 それなら、貨幣を理解するには、作った人の意図や鋳銭工程のしくみを探れば、何故その貨幣がそうなったかに近づく早道になる。 ここを考えず、「手の上の銭」ばか…

◎古貨幣迷宮事件簿 「輪側処理技術の切り替えに見る時代測定」

◎古貨幣迷宮事件簿 「輪側処理技術の切り替えに見る時代測定」 寛永銭などの貨幣を製造する時に、最終完成物の数は何百万枚から何千万枚の桁に及ぶ。母銭であれば、一銭種数千枚から一万枚まで存在数が減る。 収集家は銭種に着目し、なぜか銭種ごとのバラエ…

◎古貨幣迷宮事件簿 盆回し品の品評 D501-505

◎古貨幣迷宮事件簿 盆回し品の品評 D501-505 あえて「盆回し」と銘打つのは、「回覧の上、品評を検討する」という手順を重視するからだ。品物が欲しいだけなら、入札誌やネットオークションを開けばそれで済む。 よって、可能な限り、私見ではあっても見解を…

◎古貨幣迷宮事件簿 中国銅幣の思い出

◎古貨幣迷宮事件簿 中国銅幣の思い出 まだ二十台の頃の話だ。 週末になると、仕事帰りに都内O駅至近にあるOコインに立ち寄った。 この店はオバさん一人で経営するコイン店だった。 馴染みの客になり、冗談の言える間柄になった頃、ある日このオバさんに訊か…

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年クイズの回答」

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年クイズの回答」 出題は「掲示した七福神銭ABの違いは何か」というものだ。 この設問の意図は、「自身がどれだけ物を見ていないかを知る」ところにある。 七福神銭は全国に流布しており、ごくありふれた素材だ。 皆がそう思って軽視…

◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭の解法」 その1

◎古貨幣迷宮事件簿 「七福神銭の解法」 その1 さて、通貨と絵銭の決定的な相違点は、流通の仕方だ。 お金は日常的なやり取りがあったわけだが、原則として絵銭は「神社・寺社の周辺で入手すると、居住地付近から動かぬ」という特性がある。これが崩れるのは…

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年七福神クイズ」

◎古貨幣迷宮事件簿 「新年七福神クイズ」 あけましておめでとうございます。 さて、早速ですが、新年にちなみ「七福神」に関する問題を出題します。 画像のABの七福神銭は「BはAとは異なる」と一瞥で分かる特徴があります。 (Bについては「南部絵銭」となり…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回し抽選会の結果」について

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回し抽選会の結果」について 本日は有馬記念の当日だった。 結果着順は、1着イクイノックス(9番)、2着ボルドグフーシュ(3番)、3着ジェラルディーナ(5番)で確定した。 本会側の抽選では、「3」ボルドグフーシュ、「7…

◎古貨幣迷宮事件簿 「赤印の付いた竜十銭明治六年」

◎古貨幣迷宮事件簿 「赤印の付いた竜十銭明治六年」 在庫整理のピッチが急速に上がっており、穴銭はそろそろめぼしい品が少なくなって来た。だが、まだ近代貨が幾らか残っている。 バラ銭の銀貨類は、既に重量売りで処分したのだが、ブック入りのは外すのが…

◎古貨幣迷宮事件簿 「懸賞の追加」

◎古貨幣迷宮事件簿 「懸賞の追加」 19日で「年末盆回し」の懸賞追加登録を締め切った。 正直、「ああ良かった」と思う。私ならリスク(持ち出し)がゼロで、「当たる」か「チャラ」の勝負なら、必ず参加すると思う。実際、「面白いから」という理由で、自…

◎古貨幣迷宮事件簿 「日銀銘の貨幣袋」

日銀銘の貨幣袋 ◎古貨幣迷宮事件簿 「日銀銘の貨幣袋」 部屋の中がかなり片付いて来たが、整理に回す途中で手を止めて考えるから、やはりなかなか先に進まない。ま、別に業者でも、あるいは会を主催する立場でもないので、相手関係を考える必要もないのは気…

◎古貨幣迷宮事件簿 「時代を測る」

◎古貨幣迷宮事件簿 「時代を測る」 N04番の寛永銭について「資料的に重要」と記したのだが、ピンと来る人がいなかった模様だ。多少なりとも鉄銭に興味を持つ人に進呈しようかと思ったのだが、改めて眺めるとまだ幾つか課題があるようだ。そこで、この品は出…

◎古貨幣迷宮事件簿 「仙台鯛釣恵比寿などの話」

◎古貨幣迷宮事件簿 「仙台鯛釣恵比寿などの話」 画像は「年末盆回し」の出品物Z14番の品だ。 仙台領の絵銭の名品に「大波恵比寿」がある。鯛釣恵比寿の下部に波がうねっている意匠であるが、これは仙台オリジナルの絵銭だとされている。(何かしらの根拠があ…

◎古貨幣迷宮事件簿 「しくじった話」

◎古貨幣迷宮事件簿 「しくじった話」 三十四年前にウェブ古銭会を立ち上げたが、これは情報取集の拠点が必要だと考えたことによる。独自サーバを置いて、システムやコンテンツの書き換えがスムーズに行われるようにしただが、まだ「WWWって何なの?」という…

◎古貨幣迷宮事件簿 「出品物の解説 Z12-13」

◎古貨幣迷宮事件簿 「出品物の解説 Z12-13」 知人よりリクエストがあり、絵銭一揃いを取りまとめ発送した。 そろそろコロナ沈滞も一段落するので、出品に供される前に買っておくというのは、良い選択だと思う。 その過程で幾つか発見した。 Z12 急ぎ駒引 母…

◎古貨幣迷宮事件簿 「盛岡藩のお膝元」

◎古貨幣迷宮事件簿 「盛岡藩のお膝元」 私の郷里は岩手の奥州道中の馬替所のひとつで、昔は「馬場街」と呼ばれた地になる。中世から昭和にかけての長きにわたり、姫神山は山岳信仰の拠点で、その西側の出入り口が、この馬場街だった。 明治の御一新の前には…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その5」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その5」 五日間ほど体調を崩し休養したが、これから再開する。 出品数は当初より減りそうなので、ポイントを得られた人は「抽選会」でチャンスが拡大することになる。古貨幣に加えて、有馬記念の研究が必要になると思…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評その5 と 抽選会の仕様」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評その5 と 抽選会の仕様」 さて、年末盆回しに関する仕様が定まったので、ウェブの方に開示した。 とりわけ抽選会の対象は「12月13日までにポイント付き品物を購入された方」となっている。概要は次の通り。 1)出…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その4 栗林大型隆平通寶」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その4」 なかなか手が回らず、一週間前に整理した品について、ようやく書ける状況になっている。 X006 栗林大型隆平通寶 品物自体は前にも紹介したことがあり、誰もピンと来ないからこれまで引き取り手が無かった。 …

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その3」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その3」 まずはOさんの思い出から。 NコインズO氏は南部古泉研究会の立ち上げに寄与された方で、コイン商であると同時に古貨幣や骨董の収集家でもあった。私を古銭会に誘ってくれたのもO氏で、この世界では先輩であり…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その2」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その2」 手を止めて眺め、つい新たに調べてしまうきらいがあり、なかなか進まない。 ま、別に業者でもないし、古銭会の盆回しを念頭に置くので、品物の交換が主ではなく、勉強主体になる。ただ品が欲しければコイン商…

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その1」

◎古貨幣迷宮事件簿 「年末盆回しの品評 その1」 これから十二月にかけて、再び在庫処分を行う予定だ。先輩より、「穴銭は必ず戻るので過度の値引きをしないように」という意見をいただいたので、今回、値引きなどはない。不要になったからと言って下げてい…

◎古貨幣迷宮事件簿 「絵銭にまつわるあれこれ」付記

◎古貨幣迷宮事件簿 「絵銭にまつわるあれこれ」付記 一部の「味のある絵銭」を採録する。 同型の品をほとんど見かけぬから、製造枚数自体が少なかったということだろう。 通常、土産物としての注文であれば、せいぜい千枚の桁までで、数百枚のこともあっただ…